先月30日、新居浜市沖で
養殖されたサーモンが
初めて水揚げされ
スーパーに並びました。
養殖のいけすがあるのは
新居浜市沖の燧灘(ひうちなだ)。
風や波の影響を受けやすく
これまで
魚の養殖には向いていない
とされた海域です。
今年1月
これまでの常識に挑戦したのが
新居浜市の電気設備会社
「アイセイ電工」の
西原裕也社長(36歳)。
異業種への参入です。
生まれ育った
大好きな街のために
何かできないか
という思いです。生産者が
少なくなっている中
漁業に参入し、
生産に関わりたい。新たな雇用の創出にも
つながればと期待しています。
なぜ?
魚の養殖に向いていない
とされる燧灘で
サーモン養殖なのか。
理由は海水温にあります。
初出荷を目前に控えた4月
県職員が視察に訪れました。
海から取り出したのは水温計。
サーモンは冷水性の魚で、
9度~18度の水温が適温と
されています。
水温計のデータでは
4月の水温は11度~14度。
一方、県内で
サーモン養殖が行われている
南予・宇和海の4月の水温は
17度~18度。
平均5度程度、違います。
この水温の違いを
「宇和島サーモン」や「みかん鯛」など
ブランド養殖魚を展開する
宇和島プロジェクトの
木和田権一社長はこう分析します。
宇和海だと4月末が
サーモン出荷の限界ですが
新居浜だと5月中旬までは
大丈夫じゃないかなと
思います。
宇和海で限界が過ぎた後に
新居浜で出荷するという
リレー方式ですよね。
これは本当に素晴らしいと
思います。
県によると
サーモン養殖では一般的に
成長の過程で1割程度の魚が
死んでしまうといいます。
今回の養殖のスタートで
用意したサーモンの稚魚は
4000匹。
出荷直前の4月時点で
死んでしまったのは
そのうち120匹。
損耗率は3%にとどまりました。
その損耗と海水温を関連付けるには
まだまだ調査・研究が必要ですが、
現在のことろ、水温という環境が
サーモン養殖に適している可能性が
高いとみられます。
初出荷された
「にいはまサーモン」は
松山市内の「かどや大街道店」で
にいはまサーモンの麦みそ幽庵焼き
旬野菜とにいはまサーモンの
昆布〆サラダ仕立て
などのメニューで提供されています。
(5月末まで、要予約)
魚類養殖生産量が
43年連続日本一の
愛媛を代表する
新たなブランド魚として成長するか。
期待されます。