デパ地下が、0次会で賑わっているらしいー。
0次会というと、宴会前の待ち合わせや時間つぶしのために、どこかで軽く飲むことを言います。(おじさんの‟立ち飲みで1杯ひっかけ“とは、ちょっと違うそうですが…)
平日夕方5時、松山三越の地下1階食品売り場、ワイン専門店の「エノテカ」さんを訪れました。
売り場全体が、ワインセラー並みに温度管理されていて、1000円台から10万円近くまで、およそ600種のボトルが並んでいます。
おととしオープンし、一角に7席のワインバーが設けられています。購入前のテイスティングや新商品をちょっと味わってみたい、というお客さんのために作られましたが、「高級なワインを手ごろに楽しめる」と、待ち合わせや0次会利用のお客さんが増えてきたそうです。
私が訪ねた時間には、シニアらしき男性と、30代らしきおしゃれ女性、それぞれ1人でワインを味わっていました。
週替わりのメニューがあり、プロがしっかり管理した高級ワインが、手ごろな値段で1杯から注文できます。
どんな味なのか、スタッフの山本大介さんが、ワイン初心者にもわかりやすく説明してくれます。
もっとも人気が高いのが、このシャンパーニュ。
「ルイ・ロデレール・ブリュット・プルミエ」。
売り場では1本7000円ほどの商品ですが、ここではグラス1杯(100ml)1296円。
「みなさん、まずこれを注文されますね。よく出るので、開けたての新鮮なものがいつでも飲めます」-。
シャンパンは、飲食店では、ボトルでの注文が基本。気泡の新鮮さが重要なので、グラスでの販売はほぼありません。じゃあ飲食店でボトルで注文するとなると、定価の2~3倍の値段となりますから、ちょっと手が出ませんね。
人生のお祝いの席でしかなかなか味わう機会のない、高級シャンパーニュを飲み干すと、ついもう1杯、試したくなります。
山本さんおすすめのもう1杯は、「イル・ボッロ」。
イタリアトスカーナ地方の、フェラガモファミリー所有のワイナリーだそうです。1杯1728円。
これもセラーで1本7000円ほどで販売しています。
ワインに合うおつまみも魅力的。お隣のチーズ専門店(フロマジュリーピノ)の商品からセレクトした盛り合わせ(864円)は、気に入ればワイン同様、買って帰ることもできます。
営業時間は、松山三越の開店とおなじ、朝10時から夕方7時まで。
午前から来る人もいるんですか?とたずねると、日曜日は特に多いですね、とのこと。
朝からシャンパーニュの、いわゆる「朝シャン」客が多いそうです。
周辺にマンションが増えて、散歩がてらに朝シャンを楽しむリタイア層や、パパはデパート上階で子供の相手、ママは優雅に1杯、というファミリー層が増えているそう。
「しっかり管理されたいいワインを、グラスで楽しめるのが、うちの魅力です」と山本さん。
ショッピングの合間や仕事帰り、休日のひとときを、優雅な時間に変える…。
「高級老舗デパート内」という付加価値は、新たなエンターテインメントを生み出しているのかもしれません。
※ワインショップ・エノテカ 松山三越店(10:00~19:00) 089-934-8174