“紙”の書籍の生き残り策は~ジュンク堂移転

オピニオン室

3月3日、

松山市千舟町のジュンク堂書店が

松山三越5階に

移転オープンしました。

報道関係者向け内覧会(3月2日)

旧店舗は6つのフロアで

約35万冊という

「県内最大級の品揃え」

(ジュンク堂書店)でしたが、

その蔵書数をほぼ維持したまま

340坪の1フロアに移転しました。

フロアを上下に

行き来する必要がなく、

ゆったりと本が選べるよう

棚と棚の間の通路幅も広げ

客の利便性向上を図ります。

 

さらに狙いは、デパートに来店する

新たな顧客を取り込むことです。

 

ファミリー層向けに

児童書の売り場面積は1.5倍に。

児童書コーナー(ベビーカーでも行き来が可能なよう通路が広くとられている)

移転先は三越の中でも

ベビー用品コーナーがあったフロアで、

もともと備わっていた

おむつ替えなどができる

ベビールームを活用し

児童書はそのすぐそばに置きました。

知育玩具のコーナーも

新たに設けられています。

 

さらには2015年に合併した

丸善ブランドの

高級文房具売り場もあります。

「丸善」文具売り場

1本10万円の万年筆に

京都の老舗文具店「鳩居堂」の

お香や便箋などが並びます。

移転前のジュンク堂は

松山市駅と銀天街商店街に近い

千舟町のエスパス松山ビルに

入居していました。

移転前のジュンク堂書店松山店

2009年の

ジュンク堂書店の開業前には

紀伊国屋書店があり、

そのオープンは1978年に

さかのぼります。

紀伊国屋書店時代(1987年撮影)

つまり、この場所は

40年以上にわたって

県内有数の大型書店が店を構え

松山市民の文化的拠点、

そしてシンボルとして

賑わいに貢献してきました。

 

「女性の、特に高齢の方も

増えてくると思うので

商品の構成も

徐々に変わっていくと思う。

地域に密着した、

地域の人に愛されるお店にしたい」

(谷美智子店長)

オープン当日には会計待ちの長蛇の列が

ジュンク堂書店の移転が

松山の街の賑わいに

どのような変化をもたらすのか。

 

そして、”紙”の書籍が

どのように生きのびてゆくのか、

注目したいと思います。

記者プロフィール
この記事を書いた人
松岡宏忠

奈良県大和高田市出身。2005年に入社し
2009年の「NEWS CH.4」番組開始とともに
フィールドキャスターに。
2013年からキャスターを務める。
2021年春からはデスク業務にもあたる。
好きな言葉は「毒蛇は急がない」。

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