2月19日、松山市道後の上人坂に
砥部町出身のアーティスト、
石本藤雄さん(81歳)の
ギャラリー兼アトリエがオープンしました。
フィンランドの世界的ブランド
マリメッコで30年以上
デザイナーを務めたのち、
同じくフィンランドの
陶磁器メーカー・アラビア社で
陶芸家としても活躍した人物です。
マリメッコ時代に
世に送り出したデザインは400以上。
1994年にはフィンランドの
優れたデザイナーに贈られる
カイ・フランク賞を受賞するなど
まさに“北欧デザインのレジェンド”です。
石本さんは50年ぶりに拠点を日本に移し
故郷・愛媛で新たな生活を
スタートさせています。
ギャラリーに並ぶのは
未発表作品を含む
陶のレリーフやオブジェなど。
中には製作途中に
窯の中で割れてしまったものを
金繋ぎで継ぎ合わせ、
新たな命を吹き込んだ作品もあります。
「(フィンランドでは)
日本の自然の姿を思い出して
形に作ったものもあったんです。
(日本に帰ってきて)新たに
色々目にすると、
刺激を受けるものがある。
例えば今の季節ですと梅の花。
そのテーマで以前も
作ったことがあります。
だけど新しく、この梅というテーマで
何かやるっていうことも考えられる」
80歳を過ぎても、その制作意欲は
衰えることを知りません。
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店の前の、上人坂を上り切れば
一遍上人ゆかりの宝厳寺。
“上人”とは、仏教における
高僧への敬称であり称号であると言います。
上人坂は
80歳を超えてなお、意欲的に
創作活動に取り組む石本さんに
ふさわしい場であるように思えました。