新型コロナで大打撃を受けた
愛媛の養殖マダイが、
補助金を活用した販促キャンペーンや
加工品開発、そして若者らのPRなどで
販売回復の兆しを見せています。
「このままだと戦争並みになる」
新型コロナが暗い影を落とし始めた
去年3月、養殖が盛んな愛南町など
宇和海の生産現場では、
悲痛な声が聞かれました。
新型コロナで外食自粛が求められ、
飲食店向けに出荷されていた
愛媛県産養殖マダイの販売が
大きな打撃を受けたのです。
売れ行きが鈍るとともに、
販売単価も下落。
1キロあたりの販売単価も900円から
500円台にまで落ち込みました。
補助金による販売促進キャンペーン
こうした状況を受け、国は
補助金を投じ、スーパーなどでの
販売促進キャンペーンを
積極的に支援しました。
売れ残りを減らそうと
水産加工・販売会社などに対し、
生産者からマダイを仕入れる際の価格と
イベント経費の各2分の1を補助。
このほか、国の補助金は学校給食や
子ども食堂での原材料費にも
役立てられました。
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また愛媛県も、水産加工・販売会社などが
宣伝広告やサンプル品に充当できる
補助金制度で、スーパーなどでの
販売促進キャンペーンを支援。
一連の補助事業で
愛媛のマダイ販売は、
徐々に危機を抜け出しつつあります。
現在、愛媛を中心とする
全国の生産地から魚が集まる
東京都の3つの卸売市場
(豊洲・大田・足立)の
活魚マダイ取扱量は、
(1日あたり合計・下記参照)
コロナ禍前だった2019年の
およそ8割に回復。
東京都中央卸売市場日報
おととし11月9日
→24トン817キロ
今月9日
→20トン679キロ
販売単価も上昇傾向を示していて、
明るい兆しが見え始めています。
若者もマダイ販売に一役
今回のマダイ危機では、
若い世代にも注目が集まりました。
松山大学では、学生たちが
愛南町の生産現場を訪れ、
SNSなどでマダイの魅力をアピール。
マダイをプレゼントしたり、
マダイカレーの”オマケ”に
オンラインゲーム関連グッズを付ける
『撃鯛杯』というeスポーツ大会も
今月21日、実施します。
マダイと若者のコラボに
産地でも期待が高まっています。
※詳しくは動画で!
感染第6波への警戒は続きますが、
愛媛のマダイ販売が
このまま回復できるのか。
引き続き取材します。