冒険するアーティストMAYA MAXX

オピニオン室

この夏、アーティスト、MAYA MAXX
(マヤマックス)さんの展覧会が
出身地の今治市で初めて開かれ、
一昨日、本人を招いて
ギャラリートークが開催されました。

最新作の絵本、「おらんちゃん」
(福音館書店、2021年)の原画と
MAYAさんのトークで
絵本の世界を『解説』します。
(注!MAYAさんはバリバリの今治弁ですので
他地域の方には理解しにくいかも・・・)

MAYAさん
絵本描いている人は
原画を見て欲しいもんなんよ。
原画を写真に撮った時点で、もう違うんよ。
(写真と原画を比べて)
ほら、写真と色が違うでしょ」

◆陸上で最もカワイイのはパンダ、
水の中ではラッコ、
それ以外ではナマケモノと
オランウータン、迷ったけど・・・

「自分でいうんもなんやけど、
おらんちゃんは本当~に、
かわいいと思うんよ。
目がかわいいやろ!」

「よく見ると、白い点があるやろ。
これが可愛さのポイントなんよ。
黒の中に白い点を
ピョン、ピョンと打つんやけど、
自分の心を”可愛く”して打たんといかん

「おらんちゃんは絶対、
ボルネオの森におらんといかんのよ。
ど~しても、森におって欲しいんよ!」

「文は歌の詩を書くような感じで書くんよ。
お母さんが歌を歌うように
子どもに絵本を読んであげる
子どもは喜ぶもんなんよ」

「オランウータンの子どもは
お父さんとは遊ばんのよ。
絵本はデフォルメするけど
嘘は描いたらいかんし、描かんのよ。
そやけん、お兄ちゃんと遊ぶシーンじゃないと
ここは成立せんのよ」

「白い鳥もかわいいやろ~」

◆MAYAさんの故郷での実体験、心の風景

「自分も雨の味、どんなんやろ?思て、
こうやって雨の味を試したことあるんよ」

「60になるとね、
子どものころ感じたことを
急に思い出すことがあるんよ」

「波止浜は、夜は海から来るんよ。
海の上の方からちょっとずつ、夜は来るんよ」

◆お母さんに抱かれて眠る子ども ”美しい”

「で、きょうも楽しかったね。
そして、あしたも楽しいね・・となるんよ」

◆「60歳になったんよ。元気一杯よ」

MAYAさんは今治市波止浜出身で
今治応援大使を務めます。

大学卒業後、
独学で絵を描き始めたそうですが
トークも抜群に面白く
今治市が取り組む
「文化芸術未来プロジェクト」推進役に
ふさわしいアーティストです。

プロジェクトの対象は
今治の未来を担う若い世代ですが、
ギャラリートークでは
実は、MAYAさんと同世代に向けた
貴重なメッセージもありましたので
最後に紹介したいと思います。

MAYAさん
60になったら
段々、生きることに飽きてくるんよ。
萎えてくるというか・・・
心に小さい穴が開いているんが分かるんよ。
この穴が段々、大きくなっていくんやと思う」

「だから、生きていることを現実じゃなく、
ファンタジーとして捉えることにしたんよ。
今、自分は冒険しているんだという
ファンタジーに置き換えるんよ」

「しんどい?いかん、いかん、
これは幻想や・・・みたいに」

MAYAさん
「80歳まで絵を描きたいし、
80歳になって
自分がどんな絵を描くんか見てみたいんよ

(展覧会は8月29日で終了)

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(57) 1988年南海放送入社後、新居浜支局、県政担当記者を経て現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、「資本論」(マルクス)や「21世紀の資本」(ピケティ)など資本主義研究が趣味。

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