あす前線が停滞し活発に・・大雨警戒

オピニオン室

この一週間は
News Ch.4のお天気キャスターで
気象予報士の水口佳美さんの力を借りながら
大雨関連のニュース発信に付きっきりでした。

大雨と土砂災害への警戒は
週末まで必要ですが、
あすは前線が停滞し、活発になるため
特に気の抜けない状況が続きます。

3年前の西日本豪雨時の天気図と
あすの予想天気図を比べてみます。

◆あす前線停滞で長時間の雨、大雨の恐れも

右(カラー)があすの午後9時の予想天気図、
左(白黒)が2018年7月、西日本豪雨時の
天気図です。

水口さんによると
今年の梅雨入りは5月15日で過去、最も早く、
7月19日まで続きましたが
幸いなことに県内は
梅雨末期の大雨がありませんでした。

ところが、
「時間が逆戻りして、梅雨末期の気象状況が
立秋を過ぎてから今、現れたみたい・・・」
(水口さん)。

そして、あす・・・


午前9時から午後9時まで
長時間に渡って西日本豪雨時(天気図・下
2018年7月7日と8日のそれぞれ午前9時)と
同じように、前線が活発な状態で
停滞する予想となっています。

県内はこれまでに、すでに積算雨量で
西予市宇和 298ミリ
愛南町御荘 256.5ミリ
松山市 207ミリなど
200ミリを超えている場所が多いため
土砂災害には十分な警戒が必要です。

◆これまでに避難対象人数と
実際の避難者数の”乖離”が・・・

大雨による被害への警戒は、
今月11日の降り始めから始まり、
避難に関しては14日、
・避難指示が宇和島市で
1080世帯2577人 対象
・高齢者等避難が
松山市、今治市、大洲市、
宇和島市、西予市で
6万9371世帯14万1561人 対象
に発令されました。

しかし、県のまとめによると
避難の”実績”は
5市で計30世帯37人。

発令の対象と
実際に行動した人との乖離が
あまりにも大きくなっています。

現場では「コロナが怖い」という声も
あったようですが、
この乖離を埋める努力が
大きな課題となっています。

◆私たち一人ひとりが
地球規模で環境への配慮を考える時

「近ごろ、どうも雨の降り方が
尋常じゃない。
この先、どうなるんだろう・・・」と
恐らく多くの人が、不安に思っているのでは
ないでしょうか。
私もその一人です。

そんな不安を水口さんにぶつけると
原因の1つとして
海水温の上昇が考えられるとの答えが
返ってきました。

海水温が上昇すると
湿った空気に含まれる水蒸気の量が多くなり、
一回に降る雨の量が多くなるんだそう。

意外だったのは
冬に極端な豪雪が増えた原因の1つにも
海水温と水蒸気の影響が
考えられるんだそうです。

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日本は周りを海に囲まれた海洋国家。

近年、海の生態系に異変が起きている
という報告はよく聞きますが、
私たち人間にも
その影響が及んでいるという事実にも
真剣に目を向けなければならないと
感じました。

※この解説原稿は
17日午後5時現在の気象情報をもとに
配信しました。

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(57) 1988年南海放送入社後、新居浜支局、県政担当記者を経て現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、「資本論」(マルクス)や「21世紀の資本」(ピケティ)など資本主義研究が趣味。

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