ニュースのウラカタ#20 「呼び出し当番」
24時間放送を続けている南海放送ですが、
夜間は会社に、ほとんど人がいません。
放送の技術的な監視を行っている人と警備の方など、
ほんのわずかな人たちが業務にあたっています。
というわけで、
私が所属する報道部も夜間は無人です。
では、夜間に発生した事件や事故、災害への対応は
どうやっているのか…
それがタイトルの「呼び出し当番」です。
警察や消防などから事件や事故の情報が会社に入った際、
まずは、先述の”夜間も業務にあたっているわずかな人”が受け付けます。
次に、その人が、報道部の「呼び出し当番」に電話をかけ、
情報を伝達します。
次に、呼び出し当番が、
受け取った情報の出どころ(警察署など)に電話をかけ、
または直接出向いて詳しく聞き取ります。
「報道資料」という名前で送られてくる情報には、
・タイトル… 例)暴行事件の発生について
・いつ… 例)午後11時35分ごろ
・どこで… 例)松山市本町で
・誰が… 例)A男容疑者(会社員・33)が
・何した… 例)B男さん(自営業・47)を殴った
・どうした …例)A男容疑者を暴行の疑いで現行犯逮捕
程度の内容が箇条書きされています。
聞き取りによって、この情報に肉付けして
事件や事故の重大性、ニュース性を探ります。
例えば、
・どこで …松山市本町の ”カラオケ店”で
・誰が …”大手建設会社に勤める”A男容疑者(33)が
・何した …B男さん(自営業・47)の”頭を店のマイクで3回殴って”
さらに、状況も聞きます。
・A男容疑者は同僚の男女5人で来店
・B男さんは知人女性と2人で来店
・A男容疑者とB男さんは、トイレの便器を巡って口論に
・A男容疑者はB男さんのカラオケの個室まで追いかけ犯行
・B男さんは、頭の骨を折る大ケガ
・A男容疑者とB男さんに面識はない
・居合わせた客や従業員にケガ人はいない
・110番通報したのは店員
・警察が駆け付けるとA容疑者は酔っぱらって寝ていた
・容疑を認めたため現行犯逮捕
・B男さんがケガをしているので”傷害”容疑で調べ進める
ここまで聞いて、呼び出し当番が重大だと判断すれば、
デスクへ連絡。
デスクは、ニュースとして扱うか、そうしないか、
映像が必要かを判断して指示を出します。
映像ありのニュースにするなら、
記者とカメラが現場へ向かい取材します。
呼び出し当番は、
深夜であろうが未明であろうが、
食事中であろうが入浴中であろうが、
必ず電話に出て対応する決まりです。
慣れないうちは、はっきり言って眠れません。
そこで、この”激務”をみんなで平等に分ちあおうと、
記者・デスク全員でローテーションを組んでいます。
月に2~3回当番が回ってきます。
昨夜から今朝にかけては、私が当番でした。
午前6時半ごろ、”夜間も業務にあたっているわずかな人”から
火災発生との連絡を受け、
現場が近所だったこともあり、まずは急行しました。
到着したのは火災発生から20分後…
煙は見えるものの、炎は見えず、
消防による放水も行われていなかったことから
大きな被害ではないことがわかり安堵しました。
のちほど出された報道資料によると、
倉庫が半焼しましたが、ケガ人はいなかったということです。