梅雨末期は特に注意 2017年の流行語!?

オピニオン室

「線状降水帯」という言葉を

この6~7年ぐらいでよく耳にするようになりました。

 

南海放送のニュース原稿をさかのぼって見てみると

このワードが最初に登場するのは2016年のこと。

 

2017年には新語・流行語大賞にも

ノミネートされています。

(ちなみにこの年の大賞は「インスタ映え」、「忖度」です)

 

6月17日に気象庁はこの「線状降水帯」に関する

新しい情報の発信を始めました。

 

それが「顕著な大雨に関する気象情報」です。

 

“顕著な大雨”と聞くといまいちピンときませんが、

まさに線状降水帯のことを指していて

この線状降水帯の発生が確認された場合に出される情報なのです。

 

こちらは2018年の西日本豪雨の際の

雨雲レーダーです。

九州から南予にかけて、

そして中国地方から松山市の島しょ部にかけて

細長くかかっている濃い赤やオレンジの雨雲、

これが線状降水帯です。

 

これにより南予を中心に

1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨を観測。

 

西予市付近ではおよそ100ミリという

記録的な雨が降りました。

 

線状降水帯とは

次々と発達した雨雲が積乱雲となって列をなし

数時間に渡ってほぼ同じ場所を通過、

または停滞するというものです。

 

長さは50~300km、幅20~50kmと細長く

同じ場所で強い雨が降り続くため

一気に危険度が高まるのです。

 

今回運用が始まった“線状降水帯発生情報”。

どんな情報が出るのか、こちらが発表の例です。

 

おさえておきたいのが

線状降水帯の発生を「予測」するのではなく

発生が「確認」された時に発表されるということです。

 

松山地方気象台・川手秀樹気象情報官

松山地方気象台の川手さんはこのように呼びかけます。

 

すでに実況で“線状降水帯による大雨になっている”

という段階で発表される情報になります。

土砂災害警戒情報はすでに発表されていて

その基準を超過している、また河川でいえば

氾濫危険水位に達しているといった状況が考えられます。

災害がいつ発生してもおかしくない

極めて危険な状況となっています。

(この情報が発表されたら)崖や川の近くにお住いの方、

危険な場所にいる方は、市町から発令される避難情報に適切に従い

直ちに避難行動をとっていただきたいという風に考えます。

 

間もなく西日本豪雨から3年。

“線状降水帯発生情報”をはじめ

気象庁HPの「キキクル」など

様々なツールを有効に活用し

「もしも」の際に

自分自身や大切な人の命を守りましょう。

記者プロフィール
この記事を書いた人
松岡宏忠

奈良県大和高田市出身。2005年に入社し
2009年の「NEWS CH.4」番組開始とともに
フィールドキャスターに。
2013年からキャスターを務める。
2021年春からはデスク業務にもあたる。
好きな言葉は「毒蛇は急がない」。

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