「衆参同日選の可能性は五分五分かそれ以上」

オピニオン室

先週末の金曜日(24日)、日本テレビ報道局解説委員長の粕谷賢之さんを松山市にお招きし、南海放送の4人の解説委員との勉強会を開きました。

粕谷さんは社会部を振り出しに、政治部(自民担当)、news zeroの前身である「きょうの出来事」デスク、ロンドン支局など”報道の王道”を歩み、現在、取締役執行役員。

事実の正確さを大切にし、ショー的な面白さとは一線を画した信頼性の高い政治解説で高く評価されています。

南海放送はこの春から解説委員制度を新たに設け、4人の解説委員(もちろん私もその1人)が『ニュースの深層』の記事発信や、ラジオ・テレビでの解説に取り組んでいます。

粕谷さんから解説の基本を学ぶため、お招きしたのですが、発言の中にはニュースとして価値の高い情報が数多くありましたので、その中から、最新の政治情勢などについてお伝えしたいと思います。

◆衆参同日選はあるか?

「ここへきて、同日選の可能性が1ステージ上がり、五分五分か、55%対45%で”ある”方が強いのではないか」と分析しました。

一つの山場が、来月19日に開かれる見通しの党首討論とし、2012年、当時の野田佳彦首相と安倍総裁との党首討論から一気に解散に動いた例を挙げました。

日程については、同日選になれば8月に投票日をずらすとの見方もあるものの、野党に共闘のすきを与えないよう、予定通り7月21日に実施するのではないかと予測しました。

参院選愛媛選挙区の情勢については、野党共闘で戦う永江孝子さん(無所属)が先行し、らくさぶろうさん(自民)が追う展開という見方で、南海放送の情勢分析とも一致しました。

◆消費増税は?

消費税については選挙とは切り離し、予定通り増税されるとの見方を示しました。

理由について、これ以上の延期は国際的な信用やマーケットとの信頼関係にも影響し、国債の信用を棄損する恐れがあるという趣旨の発言がありました。

◆政治取材の面白さは?

解説委員との勉強会後、若手記者も交えての講演会に移り、「政治取材の面白さは何ですか?」という質問が出ました。

粕谷さんは「政治家も人間。感情や人間関係で、ものごとが決まる。その人間模様が面白い」と答えました。

◆まったく私と一緒で驚き・・・

粕谷さんの答えは、私が日ごろ感じている内容とまったく同じで驚き、また、大先輩と一緒ということで嬉しく思いました。

ここからは私の言葉での説明ですが、『権力をめぐる人間模様』。これが政治取材の最大の面白さであり、醍醐味だと思います。

政治取材は、生々しい”権力の使われ方”を取材することであり、『権力の監視』がその最大の使命です。

粕谷さんの重みのある発言は私たち解説委員はもちろん、若手記者にとっても勉強になり、刺激になったと思います。

粕谷さん、ありがとうございました。

記者プロフィール
この記事を書いた人
三谷隆司

今治市出身(57) 1988年南海放送入社後、新居浜支局、県政担当記者を経て現在、執行役員報道局長・解説委員長。釣りとJAZZ、「資本論」(マルクス)や「21世紀の資本」(ピケティ)など資本主義研究が趣味。

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