松山三越”リニューアル”目指すべき方向は?

オピニオン室

30年ぶりの大規模リニューアルに向けて

現在、改修工事が進む松山三越。

グランドオープンは今年秋を予定していますが

今月3日、一部の売り場が一足早くオープンしました。

 

「また来たくなるような雰囲気で

なんか色々、買っちゃいそうです」

と話すお客に、取材に訪れた青木美奈実アナも

「同感です!」と相槌を打ったその売り場とは…

化粧品売り場です。

 

ウィズコロナ時代に対応し

空間を広々と贅沢に使った接客台。

明るく華やかな空間が広がります。

 

    中途半端なら撤退したほうがいい

去年7月、改装計画発表の記者会見で

今回のリニューアルにかける思いを

強い言葉で語った松山三越の浅田徹社長。

2020年7月29日・記者会見

 

全国で百貨店業界が苦境に立たされるなか、

松山三越は生き残りをかけ

従来の百貨店の売り場作りの常識を打ち破る

リニューアルに打って出ます。

 

今回リニューアルした化粧品売り場は2階にオープン。

デパートでは化粧品売り場は1階に置くのが”常識”で、

この異例の挑戦に、覚悟が見て取れます。

 

一方、1階フロアには何ができるのか、

松山三越は今回のリニューアルのテーマの一つに

“地元企業との共業”を掲げます。

 

地元客の入店が多い二番町通り側には

県内外でイタリア料理店などを展開する

タケシカンパニーが、フードコートスタイルの

「瀬戸内の旬の味が楽しめるフードホール」を出店。

現在の1階二番町通り側・かつて婦人靴などが販売されていたエリア 基礎工事が進む

 

そして観光客の通行が多い一番町通り側には

道後商店街で「十五万石」などの土産物店を営む

古湧園物販事業部が県内の名品をチョイス。

観光客のみならず、地元客も楽しめる

「スーベニアショップ」を

オープンさせることになっています。

 

 

さらに上層階には

道後温泉のホテル「茶玻瑠」が

高単価の「ライフスタイルホテル」を

展開することも決まっています。

宿泊施設の入居は

全国の三越でも初めてだと言います。

 

  変わることによって

皆さんに必要とされる施設としての

新しいデパートを誕生させなければ意味がない

こう語る浅田社長。

 

一番町通りと大街道商店街、さらに二番町通り面する松山三越は

松山市全体の賑わいに重要な場所。

 

この場所で戦後間もない1946年から商いを続ける松山三越と

地元企業の共業、つまり地元で協力し合って

いかに賑わいのあるエリアを作り上げてゆくか?

 

それは松山市全体の利益を考えるうえで

ある意味、失敗の許されない取り組みであり

アフターコロナの企業の目指すべき方向、

『公共の利益が、企業の利益である企業』への

挑戦ともいえそうです。

記者プロフィール
この記事を書いた人
松岡宏忠

奈良県大和高田市出身。2005年に入社し
2009年の「NEWS CH.4」番組開始とともに
フィールドキャスターに。
2013年からキャスターを務める。
2021年春からはデスク業務にもあたる。
好きな言葉は「毒蛇は急がない」。

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