今月1日、
新型コロナで中止となっていた
宇和島市の真珠入札会が
再開されました。
売上確保に
安どする生産現場。
一方、真珠産業の先行きを
不安視する声も聞かれます。
初日は売上1億円
宇和島市の愛媛県漁協で
約2か月間の日程で始まった
真珠の入札会には、
三重県や兵庫県などから
19の商社が参加しました。
県漁協によりますと、初日は
1億741万1000円の取引が成立。
平均単価は3.75グラムあたり
1万2541円と2019年度の前回を
14%上回り、「上々の滑り出し」と
平井義則組合長は評価します。
入札会で真珠を買い付ける商社は、
新型コロナによる
世界的な景気の低迷で
販売が落ち込み、
大量の在庫を抱えています。
それでも
活発な取引に踏み切ったのは
「今、真珠を買っておかないと
真珠が減ってしまう」から。
尾を引くアコヤ貝大量死
好調な販売ですが、背景にある
アコヤ貝大量死を考えると、
真珠産業の先行きは
不透明だといわれています。
おととしの夏。
主に生後、間もない
稚貝と呼ばれる
小さなアコヤ貝が
被害を受けた大量死。
大量死の影響で
真珠母貝が平年の4割にまで
減っていて、
今年度の真珠生産量は
平年の半分にまで
減少すると指摘されています。
ゆるやかに縮小する真珠産業
アコヤ貝大量死の原因について
先月、“何らかの
ウイルスが原因の感染症の
可能性が高い”との
研究結果が発表されました。
しかし根本的な対策は
今のところありません。
大量死の次の年にも
宇和海では通常とは異なる
死に方をする
アコヤ貝が確認されました。
あるアコヤ貝養殖業者は
「この仕事を
ずっと続けてきたのだから。
これからも
いい真珠を生み出す
いいアコヤ貝を作っていく」と
前を向きます。
もっと多くのアコヤ貝を
ウイルス感染症に強い
新しいアコヤ貝の開発や
増産体制の構築など
まだまだ
やるべきことが多い
愛媛の真珠産業。
ぜいたく品としての
真珠の需要が
アフターコロナで
どのように変化するのか?
不透明な部分もあります。
愛媛の真珠の魅力を発信し、
買ってもらえる努力にも
より力を注ぐ必要があります。