愛媛県警が
スピード違反などの
交通取り締まり情報を
HPで公開しています。
「愛媛県警」でググれば、
TOPページにバナーが設置されています。
公開自体は以前から行われていましたが
今年から、
地図で取り締まり場所が一目瞭然。
・情報の見やすさ
・公開の量
(これまで月2件程度を原則6件に。
3倍増!)
がより充実していて、
“親切な”?交通取り締まりが
増えています。
どんな効果が期待できるのでしょうか?
◆なくならない交通違反、死亡事故
そして社会的コスト
県警によると、
去年のスピード違反の検挙数は9,287件。
シートベルト未装着の検挙数は
10,759件。
「シートベルトをつける」という
車社会の基本的なルールが
1日に30件近くも守られていない
という計算になります。
(ちなみに、この数字は運転席の未装着のみ)
この取り締まりにかかる費用は
社会的なコスト、つまり税金で賄われます。
交通事故を未然に防ぐという
人の命に関わる問題に
コストの議論を持ち出すのは
馴染まないという意見はあると思います。
しかし、多くの人が、
より効果的な取り締まりで
大きな結果(=交通事故を減らす)を生む
という方向には
賛成できるのではないでしょうか。
◆県警の反省と取り組み、目指す方向
「場所や時間など、
取り締まり情報を確認してもらい、
緊張感を持った運転を
心掛けて欲しいと思います」。
交通指導課取締調査官の芝和憲さんが
取り締まり情報の公開の狙いについて
話します。
これまでの公開のやり方では
ほとんどの県民に
関心を持ってもらえなかったといいます。
こうした反省をもとに
見やすく、
量を含めて情報を充実させることで
県民に見てもらえる
情報公開を目指します。
そして、
「今日はどこで取り締まりをしているか」
「取り締まりをしているかもしれない」
(芝さん)
という緊張感をきっかけに、
結果的に
「安全運転意識の向上につなげたい」
(芝さん)というのが狙いです。
「公開している情報はごく一部です。
通常の取り締まりも行っていますから、
どんな場所でも安全運転をお願いします」
(芝さん)。
◆全ての取り締まりが公開されたら、
どうなる?
これは、
実際の取り締まりと、公開取り締まりの量を
円の大きさで表したイメージです。
仮に、県内すべての取り締まりが
公開されたとしたら…
ググる県民が増え、
安全運転をする人が増える。
安全運転をする人が増えれば、
交通事故は減っていく。
少し乱暴ですが、
そう推定することは、できないでしょうか。
しかし、
基本的な交通ルールが守れない現状を考えると
現実に、理想通りの「交通安全社会」が
実現するとは考えにくく
通常の取り締まりも依然、必要です。
非公開と公開の
ベストミックス(最も効果的なバランス)を
確認する取り組みが始まった
といえそうです。
◆情報公開は県民との“対話”
今月5日、松山市内で行われた
今年に入って初めての
公開取り締まりを取材しました。
現場は制限速度が50キロの松山市道。
警察官4人が午前6時から
2時間実施しました。
この日、制限速度を超えて走行した
ドライバーらが検挙されました。
取り締まりの現場では、
検挙する側(=警察)と
検挙される側(=県民)の
立ち位置は明確に分かれます。
しかし、
取り締まり情報を公開するという
新たな取り組みで
警察官と県民は、
その立ち位置が”対立した構図”ではなく
「共に安全な社会を目指そう」という意識を
共有し合った状態を目指すんだと
捉えることもできます。
そういう意味で、
HPの取り締まり情報の公開ページは
県警と県民との対話の場に
なり得るのではないでしょうか?
もちろん、
私たち県民から直接、返事をすることは
できませんが、
「交通安全」という行動が
その返事にあたるのではないでしょうか。
◆交通取り締まりを、ググる
去年、県内で交通事故で亡くなったのは
50人。
死者の総数は前年より2人増え、
2年連続で増加しています。
県民が、県警の交通取り締まり情報をググり
ネット上のコミュニティでの対話を通して、
協力し、交通安全に取り組む・・・
そして、悲惨な交通事故を防ぐ・・・。
そんな未来型の交通安全対策が
どんな効果を生むのか?
取材を続けたいと思います。