東京五輪から正式種目となる注目のスポーツ「クライミング」。このスポーツの公式競技会場としてJOCから認定を受けている施設が愛媛にある。えひめ国体に向けて西条市に建設された「石鎚クライミングパークSAIJO」だ。
クライミング競技は主に3つの種目に別れている。およそ15メートルの壁を制限時間内にどこまで登るかを競う「リード」。指定されたルートで何枚の壁を登り切ったかを競う「ボルダリング」。そして純粋に壁を登ったタイムを競う「スピード」の3種目だ。国体では「リード」と「ボルダリング」のみ開催されるが、世界選手権や五輪はこの2つに加え「スピード」の3種目で勝敗が争われる。世界基準の競技場になるには全ての種目のウォール(壁)を準備しなければならない。西条市はそれを見越しえひめ国体終了後3つ目の「スピード」ウォールの建設を進めた。それが2018年10月に完成。JOCから日本代表の強化施設として認定された。西条市はこの施設を使ってクライミングの強豪国オーストリア代表に合宿地としての招聘活動をしている。その他、東京五輪に向けて重要な選考材料になる「第2回コンバインドジャパンカップ」の開催地に名乗りをあげた。
今月の5月25日26日に西条市で開催される「コンバインドジャパンカップ」は今年の世界選手権の出場者を決める選考会になっており、東京五輪出場を目指す日本のトップクライマーが参戦する。男子は世界的にも有名な楢崎兄弟を含む20人。女子は野口啓代、野中生萌、伊藤ふたばなど19人。名だたるメンバーが西条に集結する。
愛媛県関係としては2015年から県のスポーツ専門員となり、えひめ国体の「リード」で優勝した
清水裕登が出場する。清水は特に「リード」を得意としておりこの種目では日本トップクラスの成績を収めている。しかし、オリンピックは3つの種目の総合点で争われるため代表権を勝ち取るにはこれまでやや苦手にしていた「ボルダリング」と「スピード」のデキが鍵を握っている。
5月16日(土)から西条で最終調整に入った清水は「えひめ国体で優勝した場所なので環境的にもいいイメージがあるし応援もたくさんしてくれると思うので声援を力に変えて頑張りたい」と語った。ジャパンカップに向けて全てのウォールの感触を確かめた清水はスピードの練習でベストタイムを出すなど好調。地元会場での健闘を期待したい。