サッカーと後輩女子スタッフについての一考察

ニュース解説

まずは、ホッとした。

愛媛FCのホーム開幕戦、である。

いや、ホーム初登場となった和泉茂徳新監督にとってはそれどころではなかったはずだ。

大袈裟に言えば、このドローゲームは監督生命を延命させてくれた記念すべき一戦でもあった。

ほぼ全ての専門誌が降格予想の中、「厳しさは承知の上」と火中の栗を拾った和泉監督。

さらに第1節の完敗(0-3)が、彼を窮地に追いこんでいた。

高校生など育成畑出身で、トップチーム初経験の指揮官へ向けられる世間の目は厳しさを増していた。

「南宇和高校出身らしいが、どんな監督なん?」

「4チームが降格するんやろ、大丈夫?」

それはメディアやサポーターからだけではない。

「この監督に、ついて行っていいのだろうか…」

最も身近にいる選手にも、そういう”心の声”はあったはずだ。

そんな中で手にした人生初のプロリーグの勝点1。

川村選手が同点ゴールを決めた時、ベンチで突き上げた両の手が彼の窮状を物語っていた。



もう一つ。

引分けに持ち込めた戦術的な要因は、

「“距離感”を修正できたこと」とDAZN中継解説の大西貴(南宇和高校出身)さん。


「愛媛は前半、相手選手と対峙する時の立ち位置が悪く、簡単にクロスをあげられてたんですが、

後半になってその“距離感”の修正が出来ましたね」

確かに前半、相手選手の距離感は愛媛よりも50センチは近く

ボックス内でほとんどチャンスを作らせなかった。

僅か数十センチの距離を詰めることが出来るか。これがプロの勝負の分かれ道。

そういえば昨今は日常生活も“ソーシャル・ディスタンス”なる距離感が重要だ。

なるほど。

新生活もサッカーも重要なのは“距離感”なのだ。

しかし、これがなかなか難しい。

私が最近、最も苦手としているのは後輩スタッフとの距離感だ。

近すぎてもいけないし、遠すぎるとコミュニケーションが取れない。

特に女性スタッフととなると絶望的だ。

誰か程よい距離感の取り方、知りませんか?

さて。

次週のFC今治ホームゲーム実況では、この“距離感”を第一にしゃべってみたいと思う。

記者プロフィール
この記事を書いた人
江刺伯洋

江刺伯洋(えさし はくよう)1971年3月1日松山市生まれ。
入社以来アナウンサーとして主にスポーツやラジオを担当。特にサッカー実況は少年からJリーグまで全カテゴリーをこなしてきた。
著書に愛媛FCのJ昇格劇を描いた「オレンジ色の夜明け」、「群青の航海 FC今治、J昇格まで5年の軌跡」がある。【現担当番組】DAZNのJリーグ中継(FC今治、愛媛FC)、ラジオ生ワイド「江刺伯洋のモーニングディライト・フライデー」(毎金曜午前07:15~11:09)など。

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