松山の真ん中から、松山の魅力を発信している「坂の上の雲ミュージアム」。
司馬遼太郎氏の小説『坂の上の雲』にかかわる展示だけでなく、週末にはさまざまなイベントが行われています。
そのひとつ、坂の上の雲を読みつなぐ「リレー朗読会」に参加しました。
毎月第4日曜日に開催されるこの朗読会、2007年の開館当時から行われている歴史あるイベントです。
始まりは、元NHKのアナウンサー加藤澄子さん(故人)が主宰していた朗読会を、開館したばかりのミュージアムで始めたところ好評で、広く市民が参加するようになったそうです。
『坂の上の雲』は全8巻。読み終えるのに6年かかったそうです。いまは3巡目。
あらかじめ電話等で参加を申し込み、選ばれた20人が当日登壇します。毎回30人以上の希望者がいるとの事。
順にステージに上がり、指定されたページ(およそ2ページ)を読みます。
初回から参加しているのは伊達登美子さん。柔らかい語り口に引き込まれます。
高校生1年生の山本李乃さん。小学校4年生の時から参加しているベテランです。
将来教職を目指す愛媛大学放送研究会の行田勇太さんは、人前で分かりやすく話せるようになりたいと参加。
ドレス姿で参加したのは、小学6年の城市紗李さん。度胸をつけたいと始めましたが、舞台の上で堂々と表現します。
1人あたりおよそ3分の朗読。同じ小説ですが、みなさんそれぞれの世界観で表現するので、聴いていると、作品が豊かに広がっていくのを感じます。
ミュージアムに訪れて、たまたま観覧したというある女性は、「つぎは私も参加したいと思います」と話していました。
事務局から数日前に読むページをあらかじめ指定されるので、余裕をもって練習もできます。
日ごろは朗読ボランティアをしているというある参加者は「ボランティアだけでなく、このような発表会があると、目的をもって練習できるので張り合いになります」と話していました。
参加者には、ミュージアムカフェで楽しめるチケットがプレゼントされます。
声を出すここちよさと、「小説の世界」を音だけで想像する楽しさ、ステージで発表する少しの緊張感。
参加してみると、146回読みつながれてきたイベントの魅力がよくわかりました。
次回は9月27日(日)午後2時から。次回の参加募集は締め切りましたが(次々回10月25日は募集中)、“音だけの世界ってけっこうおもしろい!”を体験してみませんか。