Go To 坂雲ミュージアム

オピニオン室

「窓からの景色が素敵なんです。いちど足を運んでいただくと、ここの魅力がわかると思いますよ」ー。

坂の上の雲ミュージアムの入館無料エリアである2階フロアに足を踏み入れた瞬間、目に飛び込んでくるのは、壁一面のガラス窓の緑と、優雅にたたずむ国の重要文化財「萬翠荘」です。

「若い女性にぜひ知ってもらいたいんですよ。松山の中心部とは思えないほどの静かな場所で、カフェも楽しめますし、午後6時半まで開いているので(入場は6時まで)、仕事帰りのクールダウンにも使ってほしいですし」-。

≪クールダウンにおすすめ ドリンク(和菓子付きで平日400円)≫

今年4月から、坂の上の雲ミュージアムの広報を担当している村上比奈子さんは、松山市の施設なのに、まだ知らない松山の方が多いのでは、と語ります。

(広報担当 村上比奈子さん)

4月に広報担当になった途端にコロナによる休館。
“多くの人に来館してもらう”ことが目的だった当初とはまったく違う視点での広報が求められることになりました。

「当初は戸惑いましたが、気持ちを切り替え、今はまず県内の人に、より一人でも多く存在を知ってもらうことが第一目標としています」と語ります。

閉館中は、ミュージアムのコンテンツを、ぬり絵や工作などを楽しみながら学べる「おうちでミュージアム」を発信し、親しまれるミュージアムづくりに取り組んできました。

現在は、細心の注意を払いながら、まずは「地元の人に来館してもらえる」場所づくりに力を入れています。

(安藤建築ファンの学生さんも多いんです、と語る村上さん)

村上さんは、これまで南海放送でイベント運営や報道番組、ブライダルプランナーなど、さまざまな現場を経験。培った対応力と柔軟性を期待されての広報担当です。

また、ミュージアムをどう発信し、市民の宝として有効活用するかを考えるために、南海放送の若手スタッフで組織した「坂の上の雲ミュージアムプロジェクト」のチームリーダーでもあります。

そのプロジェクトチーム発案のイベント「キッズジョブチャレンジ~ニュースで伝える3人の主人公~」が、8月9日に実施されました。

小説「坂の上の雲」のターゲットはどうしても男性・大人が中心になりがちですが、子どもたちにもミュージアムに親しんでもらう機会として、放送局のコンテンツを生かしたアイデアです。

(キャスターやカメラマン、ディレクターを体験)

夏休み中の小学生が、記者やキャスターなど、テレビ局の仕事を体験しながら、小説「坂の上の雲」を学んでいきます。

まずは記者体験。展示物を見たり学芸員にインタビューをして取材します。それをニュース原稿にします。

スタッフ手づくりの記者手帳も。

自分の原稿を、キャスターとしてカメラの前で読みます。

それぞれの作業では、プロジェクトメンバーのディレクターや記者もサポート。
イベント参加の子どもたちが使用したワークシートなどは、すべて村上さんやミュージアムのスタッフで手づくりしました。

仕事体験後は、お給料までもらえます。
オリジナル紙幣は、ミュージアムグッズと交換可能。お仕事お疲れさま。

ところで、このイベントで使用した「坂の上の雲ゆかりの人物を学ぶワークシート」は、今月いっぱい(31日のみ休館)、館内で無料で手に入れることができます。
夏休みの自由研究にいかがでしょうか。

安藤忠雄建築の魅力を体感したい学生や、坂の上の雲の主人公の生き方に惹かれた社会人、「隠れ家」的エリアで癒しを求める若い女性、郷土の歴史を学びたい子どもたち、イベントスペースで何かを発信したい人たち…。
今後はSNS発信にも力を入れて、さまざまな思いを持ったひとにアプローチできる方法を考えています、と笑う村上さん。
坂の上の雲ミュージアムの魅力がさらに増えそうです。

≪土日祝のおすすめカフェメニュー 和三盆ロール(ドリンク付き 700円)≫

坂の上の雲ミュージアム ホームページ

記者プロフィール
この記事を書いた人
永野彰子

入社32年目、下り坂をゆっくり楽しんで歩いています。
ラジオ「ニュースな時間」で出会った人たちの、こころに残ることばを中心にお伝えできればと思います。

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