第70回「新型コロナ 愛媛で53日ぶり感染確認」

ニュース解説

■愛媛県内の感染確認は53日ぶり

2020年7月20日。
愛媛県の中村知事が、県庁で臨時会見を開き、県内で新型コロナウイルスの感染が確認されたと発表しました。(感染確認は7月19日)
愛媛県内での新型コロナの感染確認は、5月27日に松山市内の医療機関で発生した感染集団・クラスター関連の事例以来、実に53日ぶりです。

■感染者の行動歴
感染が確認されたのは、京都府在住で、宇和島市に帰省していた職業非公表の20代の男性です。
男性は、京都にいた7月14日(火)の時点で、発熱はなかったものの、鼻水と味覚障害の症状がありました。

17日(金)までは、主に京都の自宅で過ごし、18日に帰省します。
18日(土)は、京都から伊丹空港までは、バスで。
丹空港から松山空港までは、飛行機で移動しました。
そして、松山空港からは、家族が運転する自家用車で宇和島市の実家に戻りました。
移動中は、常にマスクを着用していたということです。

しかし、帰宅後、症状が続いていたため、19日(日)午前にPCR検査を受け、その日の午後に新型コロナウイルスの陽性が確認されました。

■帰省には慎重な対応を

中村知事は、今回の感染確認について、「松山空港に到着してから宇和島までの移動中も細心の注意を払い、家族の一部の方以外の接触はなく、ある意味ではしっかりと囲い込みができている事例で、市中感染に繋がる可能性はないと判断している」との見解を示しました。
一方、伊丹空港と松山空港では、サーモグラフィーを使うなどして健康チェックを行っていますが、男性に発熱の症状がなかったため、どちらの空港も通過したということです。
今回の事例を踏まえ、中村知事は、これから本格的な夏場を迎えることから、夏休みやお盆休みを利用して、帰省する人が増えてくると、コロナウイルスの持ち込みや持ち帰りの懸念があるとして、「特に感染拡大地域からの帰省、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある家族がいる家庭では、よくよく考えて慎重な対応をお願いしたい」と、県民に注意・警戒を呼びかけました。

■県内の大学生や専門学生に…
7月に入り、東京都などの首都圏や大阪府などの関西をはじめ、全国各地で感染確認が相次いでいます。
7月以降の感染者は、7月19日(日)時点で、東京都で3,186人、埼玉県で619人、大阪府で604人などとなっていて、若年層の感染者や無症状者も多く確認されています。

こうした傾向や、愛媛県内での今回の感染確認を受け、中村知事は、感染拡大地域への帰省や同窓会への参加には細心の注意を払い、感染防止対策の十分ではない飲食店やカラオケ、接待を伴う夜の繁華街などには立ち寄らないで欲しいと呼びかけています。

■経済活動と感染防止対策の両立

愛媛県は、感染防止対策に取り組みながら新型コロナの影響で大幅に落ち込んだ観光需要の回復に取り組んでいます。
現在、愛媛県民を対象に実施している1人1泊5,000円の宿泊割引サービス事業について、県外在住者の対象を従来の四国3県、広島県、大分県に加え、新たに岡山県、鳥取県、島根県、山口県、宮崎県の5県を新たに追加しました。
一方で、新型コロナの感染状況を踏まえ、8月1日からの全国への対象拡大については、見送っています。
また、7月22日にキャンペーンがスタートしたものの、キャンペーンの実施直前に東京離発着のツアーや若者、高齢者の団体旅行などを対象から除外した「GoToトラベル」を巡る政府の対応については、「思いつきの変更は混乱に繋がる。客自体も判断がつかないため、シンプルにやらないといけない」などと、苦言を呈しました。

4月には、全国を対象に緊急事態宣言が出され、県境をまたぐ移動が制限されていたため、宣言が解除されたこの夏、家族や友人などとの久しぶりの再会を果たしたいという気持ちも理解できます。
感染拡大防止と経済活動の両立に向け、これまで以上に、一人一人の慎重な判断が求められそうです。

※次回記事更新は、7月30日(木)を予定しています。

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ(現在44歳)、 1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任し、現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。
 

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