第62回「授業の遅れはどうなる?愛媛でも学校再開」

オピニオン室

■愛媛県内の公立学校が完全再開

5月25日。
愛媛県内すべての公立学校が完全再開し、校舎には子どもたちの元気な姿が帰ってきました。
愛媛県内の公立学校は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、3月4日から臨時休校していました。
新年度を迎え、入学式は実施されましたが、愛媛県内で新型コロナウイルスの感染が拡大したことや、緊急事態宣言の発令などを受けて、再び臨時休校となりました。
臨時休校は、ゴールデンウィークが明けても続き、長期化しましたが、愛媛県内での感染が減少傾向になったことなどから、ようやく学校は完全再開しました。

■授業の遅れはどうなる?
県立学校を例に見てみます。
愛媛県教育委員会によりますと、今年4月からの新学期について、臨時休校で学校に行けなかった日数は、学校によって差がありますが、21日~29日あるということです。

このうち、入学式や遠足などで、授業のない日が3日ほどあるほか、オンラインやプリントを使った家庭学習を一部授業に換算すると、実質“15日分”ほどが授業の遅れとなります。
この“15日分”をこれから取り戻すため、県教育委員会は3つの想定パターンを示しています。

①「夏休み集中型」
②「土曜授業併用型」
③「バランス重視型」

“15日分”の授業の遅れを取り戻す場合に愛媛県教育委員会が示した3つの想定パターンです。

①「夏休み集中型」:夏休みに15日間授業を実施。

②「土曜授業併用型」:夏休み10日、土曜日に5日、授業を実施。

③「バランス重視型」:夏休みに9日、土曜日に3日、平日の7時間授業を3日。

最終的には各学校ごとで決定することになりますが、この3パターン以外にも選択は可能です。
しかし、現時点では、各学校の対応は、未定となっています。

■部活動はどうなる?

学校の完全再開にあわせて、部活動も解禁されました。
しかし、3密環境を伴う部活動や練習試合等は、当面見合わせることにしていて、状況を確認しながら段階的に活動範囲を広げていくことになります。

愛媛県が定めている感染状況別の「警戒レベル」に応じた、部活動の再開イメージです。

ステップ①(感染警戒期):「コンディショニング期」(5/25~6/7)
ステップ②(感染縮小期):「対人活動期」(6/8~6/21)
ステップ③(感染縮小期):「通常活動期」(6/22~)

現在は、感染予防を優先しながら徐々に社会経済活動を再開させる「感染警戒期」にあたります。
県教育委員会は、この「感染警戒期」中の部活動を「コンディショニング期」と位置付けてます。

「コンディショニング期」には、身体に過度な負担がかかる活動を避けてケガの防止に努めます。
また、接触を伴なわない活動は可能ですが、2人以上での活動や練習試合などは禁止されています。

例えば、柔道では、組手や乱取りなどではなく、個人で出来る受け身や筋トレ。
吹奏楽では、グループ練習ではなく、個人練習を行うことになります。

ちなみに「対人活動期」に移行すれば、接触を伴う活動や自チーム内での紅白戦などが。
「通常活動期」に移行すれば、学校長の許可の下、他校との練習試合や合同練習が可能となります。

■運動会や修学旅行はどうなる?
愛媛県内では、5月に小学校121校、中学校9校で運動会が予定されていましたが、全ての学校で運動会を秋に移行することが決まっています。

また、修学旅行については、県教育委員会は、子ども達が楽しみにしている行事なので、今後の状況次第にはなるものの、時期をずらしてでも計画したいとしています。

およそ3か月にわたる臨時休校の末、ようやく再開された愛媛県内の公立学校。
この間、慣れない外出自粛生活でリズムが整わなかった子どもたちも多いことでしょう。
新型コロナウイルス対策の「緊急事態宣言」も全面解除され、これからは、「感染防止」と「日常生活」を両立する新しいライフスタイルが求められます。

しかし、子どもたちには、久しぶりの学校生活を慌てず、騒がず、じっくりと、そして、楽しみながら過ごしてほしいものです。

※次回記事更新は、6月4日(木)を予定しています。

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ。
1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任し、現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。

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