愛媛陸上界に新星現る!ハードラー・松山北池田海選手

オピニオン室

去年の全国高校総体(インターハイ)陸上競技。松山北高校の川添千秋選手が女子三段跳で優勝。走幅跳でも2位を獲得。たった一人の得点でインターハイ女子フィールドの部で優勝を果すという快挙を成し遂げた。

その名門松山北高校に期待の新星がいる。2年生の池田海選手だ。身長は187㎝。スペイン人の父と日本人の母を持つアスリート。

中学時代は走高跳をしていた彼は高校入学と同時にハードルに転向。頭角を現すのに時間はかからなかった。高校入学後わずか4か月の去年8月に行われた強化記録会。社会人や大学生も参加したこの記録会で驚異的な記録を叩きだしたのだ。

池田海 110mH 14″43

なんとこの記録は全国の高校1年生歴代1位のタイム。ハードルを始めてたった4か月の少年が愛媛県の陸上関係者を驚かせた瞬間だった。本人も「びっくりした。正直(記録を)超えているとは思わなかったのでとても嬉しかった」と振り返るほど無欲な記録だった。

それから数か月。高校2年になった池田選手はさらなる高みを目指し高校生では難しいとされるある挑戦をしている。それは110mHのスタートから1台目のハードルまでの15ヤード(13.72m)を「7歩」にすること。一般的な高校生はほとんど「8歩」で到達するが「7歩」に短縮する狙いを松山北高校の中山桂監督は「1台目から3台目の加速をスムーズにするために変えた。筋力のあるシニアでもしんどい歩数ではある」と語る。

新たな記録への挑戦を目標に変化を求めた池田選手の今シーズン初戦(中予記録会:4月21日@県総合運動公園陸上競技場)が先日行われた。池田選手はこのレースで他の選手を寄せ付けず14″78でフィニッシュ。「満足ではないけど、今回は初めて7歩で行くというのが課題。それがスムーズに行けて完走できたのは良かった」と振り返った。「7歩」という新たな挑戦に取り組み恩師と共にしっかりと目標を見据えている。

中山監督は今年の目標をこう語る。「2年生の13秒台ということを本人にも目標として持たせているし、私もできる可能性が十分にあると思っている」

13秒台を出せば、自然に高校2年の全国歴代最高記録が見えてくる。

松山北高校2年池田海選手。彼の未来には大きな大きな舞台が待っている。

記者プロフィール
この記事を書いた人
藤田勇次郎

1975年生まれ。奈良県大和郡山市出身。1998年入社。
高校野球・サッカー・日米大学野球・マラソン・トライアスロン・アームレスリング・駅伝・ボウリング・剣道・ビーチバレーなど各種実況担当。
「松山大学女子駅伝部」を10年にわたって取材。4本のドキュメンタリーを制作。

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