第60回「緊急事態宣言解除 愛媛県では・・・」

ニュース解説

■「緊急事態宣言」の条件付き解除

ゴールデンウィーク期間中の5月4日。
政府は、新型コロナウイルス対策の「緊急事態宣言」について、愛媛県を含む全都道府県を対象に5月31日まで期限を延長していました。
しかし、そのわずか10日後の5月14日。
「特定警戒都道府県」の13都道府県の一部の県と、残る34県について、「緊急事態宣言」を解除しました。
このうち、愛媛県は、松山市内の病院で関係者20人が感染する集団感染が発生しているため、感染経路の調査・報告など条件付きの解除となっています。

■「新しい生活様式」
政府は、緊急事態宣言の解除を前に「感染拡大防止」と「社会経済活動」を両立させるための「新しい生活様式」を示しました。

「新しい生活様式」の具体例です。

【基本的感染対策】
・外出はマスク着用
・遊びにいくなら屋内より屋外
・人との間隔はできるだけ2メートル空ける

【基本的生活様式】
・3密の回避(密集・密接・密閉)
・毎朝家族で体温測定
・屋内や会話の際には症状がなくてもマスクを着用

【日常生活の場面別生活様式】
・食事の際は、対面でなく横並びで座る
・料理に集中、おしゃべりは控えめに
・冠婚葬祭は、大人数での会食避けて

【働き方の新しいスタイル】
・テレワークやローテーション勤務
・時差通勤でゆったりと

3密の回避やマスクの着用など、「感染拡大防止」については、当然、継続する必要があります。
一方、対面にならない座席の配置など、「社会経済活動」の観点から見ると、店舗側に大きな負担を強いる実践例も多く見受けられるため、「感染拡大防止」との両立が大きな課題です。

■愛媛県の新たな方針
5月8日。
「緊急事態宣言」の全国一律の期間延長を受け、中村知事は、愛媛県の新たな方針を発表しました。
愛媛県は、新たな方針で、新型コロナウイルスの感染状況等に応じて、【感染対策期】、【感染警戒期】、【感染縮小期】の3つの警戒レベルを設定しました。

【感染対策期】:感染予防を最優先に社会経済活動はできる限り縮小。(5月10日まで)
【感染警戒期】:感染予防を重視し、社会経済活動は制限付きで展開。(5月11日から)
【感染縮小期】:感染予防と社会経済活動のバランスを図る。(緊急事態宣言解除後・早くても6月1日以降)

中村知事は、愛媛県内の感染状況などを鑑み、5月11日から警戒レベルをこれまでの【感染対策期】から【感染警戒期】に移行することにしました。
これにより、感染予防を最優先する段階から「感染予防」を重視しながら「社会経済活動」を“制限付き”で展開できるという段階に入りました。

では、5月11日以降、私たちの生活がどのように変化するのか①学校の再開、②休業要請、③公的施設の再開、の3点から見ていきます。

■学校再開

県立高校や特別支援学校などの県立学校は、5月11日から「学年別分散登校」、5月25日から「県内一斉に全校での完全再開を目指す」方針が示されました。
このうち、「学年別分散登校」についてのイメージです。

登校日は学年ごとに分けて、午前・午後の時間差で登校します。
この際、進路指導などで特に配慮が必要な最終学年を優先して授業数を確保します。
一方で、小・中学校については、この方針をベースに各市・町の教育委員会に判断を委ねました。

このうち、松山市は、11日を準備期間に当て、12日から「分散登校」をスタートさせました。
「分散登校」では、各学級を2つのグループに分けて登校日をずらして1週間に2回登校します。
しかし、5月13日に感染経路不明の感染者が松山市内で確認されたことから5月14日と15日の分散登校を休止して、安全が確認された学校から18日以降、順次再開されることになりました。

■休業要請
愛媛県は、パチンコ店やカラオケ店、バー、スナックなどの遊興施設、遊技施設に対して、4月27日から5月10日まで休業要請を出していました。

これを「緊急事態宣言延長」にあわせて5月31日まで延長しました。

ただし、感染予防や感染拡大防止に関する3つの対策を講じた場合、営業を認めるという“条件付き”の休業要請緩和策が示されました。

全国的には、感染拡大地域から県境をまたいで客が来るいわゆる“越境パチンコ”が問題視されています。
しかし、これまでに全国のパチンコ店でクラスターが発生していないこと。
四国内で、高知県と徳島県ではパチンコ店に休業要請をしていないこと。
香川県では、5月11日に休業要請を解除することなどから、隣接する四国3県から愛媛県に客が詰めかけることはないとして、“条件付き”の緩和となりました。

■公的施設再開

愛媛県の管理施設は、3密対策の徹底や施設でイベントを行う場合に50人以内に限定することなどの感染予防策を条件に全ての施設を原則、5月11日から再開しました。
また、愛媛県の方針を踏まえて、松山市も市の施設を11日から再開しました。
しかし、政府がGW明けに「特定警戒都道府県」で、外出自粛の緩みが見られると指摘したことなどを踏まえ、松山市は、県外からの観光客の流入を防ぐ観点などから4月18日から臨時休業が続く道後温泉本館について、5月31日まで臨時休館を延長することを決めました。

本館の臨時休館を受け、道後界隈の多くのホテルや旅館、土産物店では、長期休業を余儀なくされています。
書入れ時のGWには、これまで見たことのない閑散とした光景が道後のまちに広がっていて、経済的な影響がどこまで拡大してしまうのか懸念されています。

■気を緩めることなく警戒を

愛媛県内では、徐々に経済活動が再開されていますが、日常を取り戻すには、まだまだ道半ばです。
5月13日、14日には、松山市内の病院で入院患者や職員、その家族など合わせて20人が新型コロナウイルスに感染するクラスターが確認されています。
日常を取り戻すためには、新型コロナウイルスに打ち勝つ事が大前提です。
愛媛県に対する緊急事態宣言は解除されますが、中村知事は、愛媛県をまたぐ移動の自粛や休業要請などを緩和しない方針で、「決して気を緩めてはいけない」と強く、強く、県民に警戒を呼び掛けています。

※次回記事更新は、5月21日(木)を予定しています。

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ(現在43歳)、 1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任。
現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。
 

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