■新型コロナウイルスとは
新型コロナウイルス感染症は、世界的に猛威を振るい、日本国内でも初めての死者を出したほか、院内感染が発生するなど感染拡大が続いています。
厚生労働省によりますと、この新型コロナウイルスは、ウイルス性の風邪の一種で、発熱やのどの痛みがあり、咳(せき)が1週間前後長引くことが多く、強いだるさを訴えることが特徴だということです。
感染から発症までの潜伏期間は、1日から12.5日と言われていて、5日から6日程度で発症するケースが多いとされています。
また、飛沫感染(くしゃみ、咳、つばなど)と、接触感染(感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるなど)により、うつると言われています。
重症化すると肺炎となり、死亡例も確認されていて、特に高齢者や基礎疾患のある方は、重症化しやすい可能性が考えられます。
■感染が疑われる場合には…
2月17日、厚生労働省は、新型コロナウィルス感染症の相談・受診目安についてとりまとめました。
それによりますと、まず、発熱などの風邪症状が見られるときは、 学校や会社を休み、外出を控えて、 毎日、体温を測定して記録します。
そして、風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続いたり、強いだるさや息苦しさがあれば、「帰国者・接触者相談センター」に相談してほしいとしています。
また、高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患の基礎疾患がある方や透析を受けている方、抗がん剤等を用いている方などは、重症化しやすいため、症状が2日程度続く場合に「帰国者・接触者相談センター」に相談してほしいということです。
その結果、センターで受診を勧められた場合は、指定された医療機関で受診することになります。
この際、複数の医療機関の受診を控え、受診時には、マスクを着用するほか、 手洗いや咳エチケットの徹底を呼びかけています。
■愛媛県内ではどうすればいいのか?
愛媛県は、2月10日に県内全ての7つの保健所に「帰国者・接触者相談センター」を設置しました。
その後、日本国内での感染拡大を受け、2月18日からは、これまで9時~21時までの12時間だった相談時間を24時間態勢に延長しました。
※「帰国者・接触者相談センター」電話番号(9時~21時まで)
○四国中央保健所 090-9770-8583
○西条保健所 090-9770-8496
○今治保健所 090-9770-8495
○中予保健所 089-909-8757
○八幡浜保健所 090ー9770-8487
○宇和島保健所 090-9770-8489
○松山市保健所 089-909-3733
※「帰国者・接触者相談センター」電話番号(21時~9時まで)
○松山市以外に居住 090-9770-8483
○松山市に居住 089-909ー3733
この「帰国者・接触者相談センター」に相談して、感染の疑いがある場合は、県内に20か所ある「帰国者・接触者外来(非公表)」で受診し、愛媛県衛生環境研究所でウイルス検査を行います。
その結果、万が一、陽性反応が出た場合は、県内9か所の「感染症指定医療機関(公表)」に入院し、治療を受けることになります。
■これまでに3件の検査
県によりますと、「帰国者・接触者相談センター」や県内各保健所などへの相談は、2月17日までに合わせて478件寄せられていて、このうち、愛媛県内在住で、中国への渡航歴はないものの、感染を心配する3人について、愛媛県衛生環境研究所で検査を行いましたが、この3件は、いずれも陰性(感染なし)だったということです。
■県内経済への影響は?
感染拡大の一方で、県内経済への影響も懸念されています。
愛媛県が1月22日から2月12日までの間、県内に事業所を構える主要企業65社を対象に聞き取り調査を行ったところ、回答があった49社のうち、9社が「悪影響」、8社が「やや悪影響」があると回答しています。
その理由については、製品・部品・原材料等の輸出入の停止や売り上げの減少を挙げています。
また、中国に進出している県内主要企業10社に現地の活動状況を確認したところ、8社が2月10日以降順次、活動を再開しているということです。しかし、このうち、在宅勤務や業務縮小等の対応を取っている企業が6社にのぼっていて、県内経済への悪影響の拡大が懸念されています。
さらに、観光面でも3月28日に予定されていた「ダイヤモンド・プリンセス」の松山港への寄港が中止になるなど、インバウンドを中心に大きな影響が出ています。
世界的にも、また、日本国内でも感染拡大が止まらない新型コロナウイルス感染症。
マスクの着用や外出後の手洗い、咳エチケットなど、日常生活の中で出来る予防対策を徹底しながら、一日も早い事態の終息を願います。