スピードスケート郷亜里砂選手 現役復帰宣言!!

ニュース解説

2018年平昌五輪スピードスケート女子500mで8位入賞した郷亜里砂選手(県スポーツ専門員)が2019年3月27日記者会見を開き「現役復帰」を宣言した。郷選手は31歳。晴れやかな表情で「もう一度世界と戦いたい」と語った。

郷選手は北海道別海町出身。ホテルを営む実家の目の前にある小さなリンクで3歳からスケートを始めた。「私は全然、一流じゃなかった」と振り返るように、中学・高校・大学と国内大会での入賞はあるが「世界の舞台」とは無縁。社会人で競技を続けられるかどうか微妙な実力だった。

「転機が訪れたのは愛媛に来てからです」

2014年。郷選手が26歳の時。2017年に国体の開催が決まっていた愛媛県から冬季の強化選手としてのオファーがあった。「本気で引退を考えていた」という郷選手はこの誘いを受け愛媛県所属選手となった。

愛媛のユニフォームを着た郷選手は2015年の岩手冬季国体500m・1000mで初優勝を果たすと、続く2016年の長野銀嶺国体では500m1000mで両種目の大会記録を更新し連覇を達成。愛媛国体の得点に貢献した。

「国体では普段スケートリンクでは聞いたことがないような大声で愛媛の応援団が声援を送ってくれた。私は今まで自分の為に競技をしていたが、この時、本気で愛媛の為に滑りたいという気持ちになった。すると驚くほど記録が伸びたんです」

それから郷選手は急成長を遂げた。

2014年の500mのベストタイムが39″00。2017年にはベストを3秒近く縮め(37″05)ナショナルチーム入りを果たした。そして、その年初めて出場したワールドカップで周りが驚くほどの大活躍を見せ(5戦中4度の銅メダル)エース小平奈緒に続く五輪のメダル候補に名乗りをあげた。

2018年平昌五輪。韓国の英雄イ・サンファ選手と同じ組でスタート。得意のスタートダッシュを決め、前半はメダルに近づくタイムで滑るものの、後半まとめきれず8位に終わった(37″67)。

会場は金メダルに輝いた小平選手とイ・サンファ選手の友情に沸き、TVではそのシーンが何度もフイーチャーされた。そのリンクの端で郷選手は目を赤く腫らして悔しさを噛みしめていた。

「目標にしていたメダルには届かなかった・・・(涙)。たくさんの方に応援して頂いたので少しでもこの舞台で滑っているところを見てもらえて良かったです」

その後「引退」を発表した郷選手は愛媛で生活を送りながら日本スケート連盟のジュニア強化指定コーチとして松山市出身ショートトラックアジアンオープン優勝の越智大翔選手(ナショナルチーム)などの指導にあたった。

現役復帰会見で郷選手は、こんな言葉で決意を語った。

「五輪が終わって悔しい気持ちと、やり切った気持ちが半々だった。指導をしている越智選手の成長していく姿を見て自分にもまだ選手としてできることがあるのではないかと思った。競技をしている時は練習で苦しいことが多かった。ただ1年間スケートから離れてみて、その辛い練習の時間さえも本当は楽しい時間だったということに気がついた。これからは1年1年前向きに五輪も見据えて頑張りたい。もちろん愛媛県の選手として」

もう、応援するしかないですね!!

記者プロフィール
この記事を書いた人
藤田勇次郎

1975年生まれ。奈良県大和郡山市出身。1998年入社。
高校野球・サッカー・日米大学野球・マラソン・トライアスロン・アームレスリング・駅伝・ボウリング・剣道・ビーチバレーなど各種実況担当。
「松山大学女子駅伝部」を10年にわたって取材。4本のドキュメンタリーを制作。

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