第34回「松山デザインウィークに見えた多様性」

ニュース解説

■今年のテーマは「花ハロウィン~実り~」

10月26日~31日にかけて、「MATSUYAMA DESIGN WEEK」(以下松山デザインウィーク)が開催されました。
松山市と㈱まちづくり松山、松山市商店街連盟、松山商工会議所で構成する「まつやま健幸・賑幸促進委員会」の主催で、松山市中心街の活性化が目的です。
松山市中心街の通行量は、郊外の大型ショッピングモールのオープンなどの影響で平成20年代前半は減少傾向にありましたが、近年は、こうした取り組みなどの影響からか回復傾向にあります。

※ワークショップで球体オブジェにペイントする子ども
ハロウィンの時期と重なったこともあり、今年の松山デザインウィークのテーマは、「花ハロウィン~実り(みのり)~」。
松山市の花園町通り商店街~まつちかタウン、銀天街、大街道、ロープウェー商店街にかけての2キロ強の歩行者空間を世界で活躍するトップクリエーターや人気アイドル、地元アーティストが手掛けた2メートルを超えるバルーンアート10体が彩りました。

■個性的な10体のバルーンアート
今回、バルーンアートを手掛けたアーティストとその作品を紹介します。

世界で活躍する書家の「紫舟」さん。

©masaaki miyazawa
日本アカデミー賞や紫綬褒章など受賞多数のアートディレクター「浅葉克己」さん。

クリエイティブディレクター/デザイナーの「ヘンキ・レオン」さん。

去年のデザインウィークで大街道に椿のオブジェを演出した空間デザイナーの「長谷川喜美」さん。

アイドルグループ「AKB48チーム8」の「高岡薫」さん。

©AKS
「AKB48チーム8」の「吉川七瀬」さん。

©AKS
「AKB48チーム8」の「岡部麟」さん。

©AKS
松山市在住のガールズバンド「たけやま3.5」の皆さん。

自閉症アーティストの「大石涼」さんと地元デザイナーの「相原泰典」さん。

■自閉症アーティスト涼さんに注目
歩いて作品を鑑賞してもらうことで、松山市中心街の回遊性を高めようと、ロープウェイ街から花園町まで万遍なく設置された10体のバルーンアート。
その中でも自閉症アーティスト大石涼さんの作品の前では、女子中高生を中心にSNS用の写真撮影が行われていて、ひときわ注目を集めていました。

涼さんは、二次元や三次元の作品もこなす自閉症のアーティストで、スポーツ分野でも「全国障がい者スポーツ大会」で、立ち幅跳びで金メダル、50m走では銀メダルと銅メダルを獲得するなどマルチな才能を発揮しています。
この涼さんの代表作とも言えるのが、今回のバルーンアートのモチーフとなった「大石寮のヤツラ」です。

涼さんは、2017年から愛媛で活躍するデザイナーの相原泰典さんとタッグを組んで、インクルーシブデザインに取り組んでいて、これまでに「大石寮のヤツラ」の「キモ可愛さ」を活かした斬新なデザインのTシャツを商品としてリリースしています。
※インクルーシブデザイン:デザイナーと社会的弱者と呼ばれる障害者や高齢者などがコラボして、アートを商品化していくもの

今回、トップアーティストと肩を並べる形で参加した「松山デザインウィーク」での経験が、涼さんの今後のアーティスト活動の大きな自信に繋がったのではないでしょうか。

様々なアーティストの多様性や個性が尊重された今回の「松山デザインウィーク」。
まちづくりの原点がこのイベントに集約されていました。

なお、松山デザインウィーク・大石涼さんの挑戦については、11月6日(水)18時15分~ニュースCH4内でも特集としてお伝えしますので、是非、ご覧ください。
(放送日時は予定のため変更の場合もあります)

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ(現在43歳)、 1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任。
現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。
 

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