四国アイランドリーグplusの2019年シーズンが大詰めを迎えている。前期の優勝は徳島インディゴソックス。後期の優勝は愛媛マンダリンパイレーツ。現在、2戦先勝で年間王者を決めるチャンピオンシップが行われている。勝敗は両チーム譲らず1勝1敗。本日(2019年9月23日)の最終戦で年間王者が決定する。
四国アイランドリーグplusは、2005年日本で初のプロ野球独立リーグとして誕生した。基本理念は「社会人野球チームの減少等から本格的に野球を行う場所を失った若者にチャレンジの場を提供し、NPB球団出身の監督・コーチが質の高い指導を行う。同時に野球人としてだけでなく、結果的に野球を諦め新しい人生を歩み始める選手たちのための人間教育も徹底して行う。」
リーグ創設以来、13年間で700名以上の選手を受け入れ、61名の選手をNPB(日本プロ野球機構)へ送り出した。近年は、1軍で活躍する選手も増え、千葉ロッテマリーンズで首位打者のタイトルを2度獲得した角中勝也選手や、中日ドラゴンズの又吉克樹選手、阪神で現役を続けている藤川球児投手もメジャーから日本球界へ復帰するステップとして高知ファイティングドックスで1年間プレーした。
今年その四国アイランドリーグplusの公式戦で面白い実験が行われた。『1試合7イニング』試合の導入である。
東京五輪後、再び五輪種目からの排除が決まっている野球・ソフトボール。選考時にいつも指摘されてきたのが試合時間の長さである。その対策として世界野球ソフトボール連盟は「1試合7イニング制」を提唱している。四国アイランドリーグplusはその対策を踏まえ2019年シーズンの公式戦の一部で「7イニング制」を導入することを決めた。日本の野球は小学生5イニング。中学生7イニング。高校生以上は9ニング。高校生以上の硬式野球の公式戦としてはおそらく史上初の取り組みである。さらにアイランドリーグは7イニング試合を夏場に導入することにより熱中症対策にも考慮したと発表した。
7イニング試合は四国の4チームのホームゲームでそれぞれ3試合・合計12試合行われた。2018年シーズンの平均試合時間は2時間57分に対し7イニング制12試合の平均試合時間は2時間28分だった。
愛媛MPの河原純一監督は「7イニングだと投手交代のタイミングなどが難しかった」と話していた。試合を見に来ていた観客は「暑い中観戦しているので試合が早く終わるのは好いと思った」と語った。
また、今年特にクローズアップされた高校野球の球数問題についても「投手の障害予防に関する有識者会議」が今月20日一つの回答を出した。来春の甲子園から1投手につき「1週間で500球まで」と制限をかけることが決定した。3年間は試行期間を設け強制力はもたないそうだ。
来春の甲子園の選考資料となる今年の高校野球秋季愛媛大会は東予・中予・南予でそれぞれ1チームづつ、人数不足の各校が連合チームを組み出場した。野球王国を自称する愛媛でさえ人口の減少以上に野球の競技人口が減少している。
どのような形がベストかわからないが、野球界は今、時代に合わせる努力を始めている。