■東京デビュー
7月31日。東京都渋谷区の高級中華料理店「スーツァンレストラン陳」で、「媛プチ柑(ひめぷちかん)」を使ったランチ会が開催されました。この模様は、ニュースCH4の特集で、清家キャスターがすでにお伝えしましたが、会場には、関東を中心に活躍する一流料理人が詰めかけ、若手シェフ4人による「媛プチ柑」料理が提供されました。
■豪華メニューの絶妙なアクセントに
さて、当日、披露された「媛プチ柑」料理のフルコースをご紹介します。
前菜は、「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」関谷健一朗シェフが手掛けた「マハタと“媛プチイヨカン”を使ったタルタル」。
続いて、「スーツァンレストラン陳」井上和豊シェフによる「みかん鯛と“媛プチイヨカン”を使った魚料理」と「“媛プチポンカン”などで作ったオリジナル豆板醤の麻婆ナス」の2品。
さらに、メインの肉料理は、「銀座・大石」の大石義一シェフによる愛媛のブランド牛を使った「あかね和牛のロースの“媛プチ河内晩柑”ソース」。
そして、締めのデザートは、「エンメ」の延命寺美也シェフが「“媛プチ河内晩柑”の実と皮を使ったブランマンジェ」を完成させました。
「媛プチ柑」のプチプチとした食感や未成熟の柑橘が持つ独特の爽やかな酸味が絶妙なアクセントとして、メイン食材の魅力を引き出し、それぞれの料理を引き立てていて、試食した料理人たちも絶賛していました。
■「媛プチ柑」って何?
そもそも「媛プチ柑」って何?と、思われた方が多いのではないかと思います。
この「媛プチ柑」。実は、愛媛県産かんきつの未成熟果実、いわゆる摘果された柑橘のことなんです。柑橘は、栽培過程で果実を厳選するため余分な実を摘み取っていく摘果作業を行います。通常、この摘果された柑橘は、廃棄されるなどしていたため、何かに利用されることはほとんどありませんでした。
しかし、愛媛県は、この摘果された柑橘に付加価値を加え、新たなブランド食材として売り出すことにしたのです。
■摘果柑橘の独自の魅力
40種類以上の柑橘を栽培している愛媛県が現在、売出している「媛プチ柑」は、全3種。
それぞれの柑橘の特長です。
※写真 大:「媛プチ“河内晩柑”」、中:「媛プチ“イヨカン”」、小:「媛プチ“ポンカン”」
①「媛プチ“ポンカン”」=食感が楽しく酸味が高い。
②「媛プチ“イヨカン”」=ハーブ系の香りも兼ね備え、収穫時期で香りが変化。
③「媛プチ“河内晩柑”」=香り・味わい共に刺激が少なく優しい苦味。
愛媛県は、今後、この3種に続く、新しい「媛プチ柑」を発掘するとともに、毎号6万部を発行する食の専門雑誌「料理王国」とコラボして、魅力発信や認知度アップを目指します。
■豪雨災害からの復興に繋がるか
この「媛プチ柑」ですが、無農薬栽培が条件の一つとなっていて、現在、西予市の農業法人「無茶々園」などが参画しています。9月1日からは、期間限定で、先ほどのフルコースで紹介したレストランを含む東京都内の10のレストランで「媛プチ柑」を使用したメニューを提供するキャンペーンが行われています。
これまで脚光を浴びることが無かった摘果柑橘が、東京で活躍する一流シェフや料理専門雑誌に見出されて「媛プチ柑」として生まれ変わりました。
去年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた愛媛県内の柑橘農家の方々の復興はまだまだ道半ばです。
そんな“柑橘王国愛媛”の復活に「媛プチ柑」が寄与することができるのか。
新たな挑戦に期待が高まります。