2分30秒にかける笑顔のスポーツ「チアリーディング」。
スタンツと呼ばれる人間ピラミッドのような技の難易度や正確性はもちろん、笑顔や元気の良さも採点項目に入る「笑顔の真剣勝負」と言われる競技だ。
日本のチアリーディングで最も権威のある大会が毎年夏に行われるJAPANCUP。この大会に四国の中学生チームとして初めて出場したチームがある。
松山を中心に活動する「OTTERS!(オッターズ)」だ。
チーム名オッターズは愛媛の県獣「カワウソ」のこと。愛媛県の事をたくさんの人に知ってもらいたいという思いで名づけられた。
このチームを立ち上げたのは社会人チームの名門REGULUS(レグラス)で全国大会優勝経験がある堀内由美さん。堀内さんは9年前結婚を機に東京から愛媛に来た。当初はその経験を買われ愛媛大学の指導をしていた。しかし関東圏に比べて中四国には幼少期にチアリーディングを経験している生徒が少なく部員の確保に行き詰ったそうだ。それならばその環境を作ろうということになり6年前にジュニアチアリーディングチーム「OTTRES!」を立ち上げた。
◇堀内コーチ
「愛媛に来た時はチアリーディングをできる環境が全然なかった。最初は大学生を教えていたけど部員確保が難しくて、小さい頃からチアリーダーを育てて、いずれ愛媛大学に入ってほしいなという思いから立ち上げました」
今では、6歳から中学3年生までの46人の子供たちが練習を重ねている。
堀内さんの指導は、将来大きく育って欲しいと一つ一つの動きが正確にできるように基礎練習を大切にしている。今年6月。その種まきが一つの花を咲かせた。
OTTRESの中学生メンバーが、JAPANCUP中四国大会で優勝し四国の中学生チームとしては初めて全国大会の切符を掴んだのだ。
東京で行われた全国大会「JAPANCUP2019」では、演技冒頭で大技「ドルフィン」をきれいに決めるなど奮闘。初めての全国大会で納得の演技を披露した。
順位は39チーム中25位。
決勝進出とはならなかったが、愛媛チアリーディングの歴史的な第一歩を踏み出した。
◇堀内コーチ
「演技することで、たくさんの元気や勇気を届けられるスポーツってなかなかないと思う。愛媛の子にも前に立ってたくさんの人に元気を届けることで、自分がいろんなことができているっていう自信につなげてほしいなと思っています」