シーズン前半を振り返る(FC今治編)

オピニオン室

J3リーグは先日の19節で2023シーズン前半戦を終了。
愛媛の2チームは愛媛FCが首位、FC今治は5位という好位置をキープ。
史上初の同県1、2フィニッシュの可能性もセロではない。
初のJ2昇格を狙うFC今治の今シーズン前半について
チームを率いる高木理己監督に聞きました。

(まずは、どんなシーズン前半でしたか?)
「まず首位の愛媛FCさんと勝ち点差9開いてしまってるので、
満足している選手スタッフは一人もいないですし、その勝ち点差9が全てですね」

(前半終了時で7勝8分け4敗、引き分けの多さについては?)
「岐阜戦(アウェイ18節2-2)は、前半の出来を考えれば
勝点1を掴めたと言える様な展開だったが、
それ以外の引き分けは勝点2を落としたというのが多かったと思っています。
そこを決めきれる強さや、決めきれないことで
終盤にゲームがもつれて沼津戦(17節1-1)のようにドローに持ち込まれたので。
チャンスをしっかり決める事。
それと選手が抜けましたんで。より点を取っていく構図、
プレシーズンから皆でしっかり積んできたものをもう一度より精査して、
よりボックス(ペナルティエリア)にパワーを注いでいける形を
作っていかないと差は埋まって来ない。
そこが前半戦振り返っての課題ですね」

(データを見ると攻撃時相手に近づけるかの数字がリーグ1位、
ゴール期待値も1位です。数字上はトップの成績です)
「正直攻撃のところではしっかり運んでいく、
相手に対策された時にボールを前進させていくところは
もっと改善出来ると思ってます。
もっともっとそのスタッツを高めて行ける。
守備においてボールを奪える。
そこから出ていける強みってのは、
プレシーズンや開幕してからやってきている。
勝点の浮き沈みあったとしても、
下がらずファーストディフェンダー決めて
圧力をかけていけるってのは我々の強みかなと。
高い位置でボールを奪える分、相手ゴールに近いところでプレー出来ている。
ですが意図的にボールを奪って前進して
相手中盤のラインを攻略しても簡単なロストがあって、
相手の攻撃を受けてしまうというシーンは私の中ではまだまだ多いなと思っている。
ドゥドゥが抜けました(7月17日ジェフユナイテッド市原・千葉へ完全移籍)んで、
その中でボールをどう前進させていくか。
個人が抜けてもボールを持って押し込んでいける形を
作っていくところだと(今は)思っている」

(では、データの結果に満足していない?)
「攻撃で言うと、相手の守備の構築の仕方によって
運びやすい試合と運びにくい試合が顕著かなと。
相手もFC今治を分析してわかってると思うが
どういう守備形体を作ったとしてもボールをボックスに近づけること。
後は矛盾してますが、押し込んだゲームで点が取れてない。
ですから逆に言うと押し込んだら点が取れないっていうところ。
それは細かいスタッツ拾ってみると顕著。
具体的にはアウェイの宮﨑戦(14節1-1)。
意図的にボールを前進させることが出来て、ボールも奪えて、
ボックス付近のチャンスクリエイトも
多分今シーズンの45分の区切りでは恐らく一番決定的なチャンスが作れた。
と思ってるがスコアは0だった。
それが(現状を)表しているなと思っていて。
そういったゲームでスコアが動いてない。
点を取ってるシーンを見ると、そのまま加速している方がスコアが動いてる。
それは長野戦(16節アウェイ)4-0がまさにそうだった。
その矛盾をいかに攻略するか。どう勝点3に結びつけるか。
そこに尽きると思ってる。
数字を見てもそんなに簡単なものではないので、
近いところの正解で安心しているようでは
この混とんとしたJ3は駆け抜けられない。
とにかくゴールに迫っていくこと。
それを勝ち点に繋げる事を(シーズンの)二巡目でぶつけていきたい」

(シーズン後半もこれまでのやり方を積み上げていく?)
「押し込んでたとしても12mくらいのショートのランニングを
増やしていかないとこれから攻略できない。
走っていく事、走った選手を見つける事、その選手にボールを届ける事、
ゴールにボールを届ける事。
そこの壁を突き破る事はまだまだ我々は出来てないと勝点が示している。
新しいことを積み上げないと(1位との勝ち点差)9は埋まらない。
そこをFC今治として積んでいくことに尽きる」

(前季8得点チーム得点王のドゥドゥ選手を引き抜かれた)
「プロとしてはよくある事。
ドゥドゥが出した結果で評価されての事ですから。
監督としては複雑ですが。
ただ、序盤戦ドゥドゥが居なかった試合をありましたし、
中川(風希 7月27日藤枝MYFCへ完全移籍)がいない中でも勝点は積んできました。
千葉(寛汰 7月19日育成型移籍)が入りましたし、
ラルフも戻ってやっと日本の夏にもなじんできてる。
出場機会の無かった武井も上がってきたし、怪我から戻ってきた(新井)光もそう。
ドゥドゥが抜けた穴を不安に思うよりも
今いるメンバーでこの勝点差9を埋めてさらに超えて行けるかだけですね。
もちろん、ドゥドゥには頑張ってもらいたい」

(ポジティブに考えると後半は5番目から挑める?)
「(今の順位を)悲観もしてないし楽観もしてない。
今まで我々は(守備で)4バックの試合と3バックの試合があって。
丁度、いわて(12節1-2)、松本(13節0-2)に連敗してから
3バックを主に採用しているが、
4バックの試合は1試合平均失点が1.5あった。
そこの不安定さが浮き沈みの原因ととらえていた。
(14節1-1)宮崎戦以降、3バックでの試合は8試合4失点。
平均0.5まできている。でも何かを立てれば何かが立たなくなる。
3枚にしたことで(17節1-1)沼津戦は押し込まれた。
ただ、数字を見れば1試合平均1点減らすことが出来ている。
その上にゴールを載せていけるか。
それともそのまま引き分けになるのか岐路に立たされているととらえている。
そこを何とか勝点3にもっていける強さを我々は持たなければいけない」

(守るよりは上を狙う方が監督のスタイルに合ってるのでは?)
「自分の人生順風満帆で来てないw。
守ってたら終わる。
常に上を見て、常に駆け上がる、常に前進し続けていかないと、
それが日本のリーグの良さで強みだと思っている。
我々はその一番下に居るので突き上げていくだけ。
1位でも2位でも最下位でも関係なく、とにかく前に前に前進するのが全て。
その気概を忘れたくない。
順位とか、引き分けが多いとか閉塞感になりがちですが。
近くの正解見つけて安心しないで、
とにかく前に前にっていうフットボールを届ける事が
昇格に一番近づくんじゃないかと考えています」

記者プロフィール
この記事を書いた人
江刺伯洋

江刺伯洋(えさし はくよう)1971年3月1日松山市生まれ。
入社以来アナウンサーとして主にスポーツやラジオを担当。特にサッカー実況は少年からJリーグまで全カテゴリーをこなしてきた。
著書に愛媛FCのJ昇格劇を描いた「オレンジ色の夜明け」、「群青の航海 FC今治、J昇格まで5年の軌跡」がある。【現担当番組】DAZNのJリーグ中継(FC今治、愛媛FC)、ラジオ生ワイド「江刺伯洋のモーニングディライト・フライデー」(毎金曜午前07:15~11:09)など。

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