1月29日、愛媛県庁に届けられた、一つの段ボール。
段ボールの宛て名は、中村知事。
差し出し人の名前は、匿名でした。
この段ボールを開けてみると、なんと中に入っていたのは、大量の一万円の札束ではありませんか。
その額、およそ1億円!!
【写真】愛媛県庁に届けられた札束 提供:愛媛県
段ボールの中には、手紙が同封されていて、「住所、氏名は架空です。何かの役に立ててほしい。そっとしておいてほしい」などと書かれていました。
私が現場で実物を確認したところ、水分を含んでいたのか、札束は、“塊”となっていて、表面に新聞紙が張り付いた状態の札束もありました。
なんとも不思議な贈り物に愛媛県は、警察に相談しました。
その結果、この札束について、盗難や紛失の届出が出ていないことなどから事件性が低いと判断しました。
さらに、手紙に寄付の意向が示されていることから、弁護士にも相談し、県は、寄付金として処理することにしました。
ここで気になるのが、劣化が激しいこの1万円の札束がどの程度、新しいお札に交換できるのかということです。
日本銀行に確認したところ、①残っている面積が3分の2以上の場合は、全額として引換え。②残っている面積が5分の2以上、3分の2未満の場合は、半額として引換え。③残っている面積が5分の2未満の場合は、価値は無く失効。などの条件だということです。
では、紙幣の価値を確認するため、どのように“塊”となっているお札をはがしいくのかというと、ここは意外とアナログな作業です。
一般例としてですが、ドライヤーなどを使って、お札を傷めないように根気強く乾かしいくということでした。
愛媛県は現在、日本銀行と交換に向けた準備を進めているということですが、全てのお札の交換金額が確定するには数か月かかる見通しだとしています。
この寄付ついて、県は、去年7月の西日本豪雨災害の復旧・復興などに役立てたいとしていて、思いがけない“善意の贈り物”を有効に活用して欲しいと思います。