離島へ届け!命の水 密着・海底送水管工事

オピニオン室

今月17日、宇和島市の沖合で、
離島の住民に“命の水”を届ける
「海底送水管」の設置工事が
行われました。

島のライフラインを守る
特別ミッションを取材しました。

※詳しくは動画で!

離島に欠かせない海底送水管

沖合いに戸島を望む宇和島市蒋渕。

ここでは、地元建設会社の
「浅田組」「一若建設」で構成する
宇和島共同企業体が、
作業船を使って
戸島から引き延ばしてきた「海底送水管」を、
陸地部の蒋渕へとつなぐ工事を
行っていました。

「海底送水管」は、
戸島、嘉島、日振島の
あわせて650人に
水道水を届けるライフラインです。

既存の「海底送水管」は、
設置からおよそ40年が経過し、
2019年には
蒋渕と戸島を結ぶ区間で一部が破損。

3つの島で
最長11日間の断水が発生し、
住民は不自由な生活を
余儀なくされました。

このため宇和島市は、
さらなる破損の
可能性もあるとして、
去年9月、
戸島と嘉島、それに
蒋渕を結ぶ
2つの区間の「海底送水管」を
更新する工事に着手しました。

「海底送水管」に大接近

作業船に乗り込むと、
渦を巻いた「海底送水管」が
見えてきました。

「海底送水管」は
金属で覆われたポリエチレン製で、
直径10センチ、
戸島~蒋渕間は
全長2680メートルです。

ジェットコースターのように
一度高い位置まで引き上げられ、
そこからゆっくりとしたスピードで
海に沈めていきます。

ダイバーも投入 最後は人の手で

海に繰り出された
「海底送水管」は、
最後は陸地部へと
小型船でひっぱられていきます。

そして、船や地上の作業員に加え、
ダイバーらも使いながら
午後3時ごろ、
無事、引き込み作業に成功しました。

新しい「海底送水管」は、
早ければ今年9月の稼働が
予定されています。

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公共インフラの更新は暮らしの生命線

「海底送水管」を始めとした
公共インフラは、
建設や設置から
長い年月が経過するうちに
老朽化が進み、
思わぬ事故を引き起こすことがあります。

最近では、
首都高速道路で
建設から50年以上経過した
橋の架け替え工事が
全国ニュースとなりました。

人々の暮らしを守るため、
たとえ過疎地域とはいえ、
宇和島市の離島に
命の水を届ける
「海底送水管」の役割は、
これからも
変わることはありません。

このほか松山市では、
老朽化した水道施設の
更新費用などに充てるため、
今年度から
水道料金の値上げを行っています。

大切な税金の使いみちとして、
公共インフラの維持があることを
より多くの人に
知ってもらえればと思います。

記者プロフィール
この記事を書いた人
中武正和

1975年11月松山市生まれ。南海放送南予支局(宇和島駐在)記者として一次産業を中心に様々な話題を取材。西日本豪雨は発生時から被災地で取材活動に従事。2021年4月から県庁担当記者。南予・東予から届く支局の話題を分かりやすく解説します。

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