なんせ絶好調なもので

オピニオン室

本当は他の話題を書く予定でしたが
なんせ絶好調の両チーム。
触れないわけにはいきません。

愛媛FCは先週(7/31)、2-0でYSCC横浜に
FC今治は先日(8/6)、5-2でYSCC横浜に勝利。
共に同じ最下位の相手だったとはいえ
しっかり勝ち切ったことが素晴らしい。

これで愛媛FCは4連勝(ホーム5連勝)で6位。
FC今治は7試合負けなしで8位。

言った通りでしょ?
お互いの存在が相乗効果を生み出しています。

愛媛FCの先制点は近藤選手による
目の覚めるようなロングカウンター。
ワールドカップのベルギー代表を
彷彿とさせる
ビューティフルな高速アタックでした。

ゴール後のセレブレーション、
忍者ポーズは来場していた
お子さんへ向けてだそうで。

FC今治は
地元おんまく祭り前日に
派手に打ち上げた5発の花火。

負けていれば第2グループに転落でしたが
第1グループにギリギリで滑り込みました。

これでJ3リーグの上位は
1位いわきFC(勝点39)から
8位FC今治(勝点32)まで8チームが
勝点7の中にひしめき合っている大混戦。

イマイチ乗り切れなかったFC今治は
今夏の補強に完全に成功。

その一人が
直前までJ2大宮アルディージャで
キャプテンを務めていた
ベテラン、三門雄大選手(35)。

彼が中盤の真ん中、ボランチに入ったことで
それまでそこにいた山田選手が
自分本来のポジション(右サイド)へ
戻ることが出来ました。


するとどうでしょう?
この日は山田選手が2得点 という大活躍。

橋川監督も
「(三門と山田)2人を
補強出来たようなものだ❕」
と手放しの喜びよう。

やはり人というのは
好きな所でこそ輝くことが出来る。
サッカーだけでなく
仕事でも同じなんですね。

それは一人だけの力ではなく
フォローしてくれる人がいて、
引いてはその人の力を発揮する配置をする
フロントの目利き力があってこそ。
…人事って大事だな~と一人納得。

もう一人の夏補強、
フィリップ選手もホームデビュー。

母国ポーランドリーグのクラブを
契約満了になり
エージェントから
「日本のFC今治がFWを欲しがっている」と
連絡を受け、
元々海外でのプレーや文化に興味があったので
二つ返事で来今?(来治?)を決断。

190㎝の大型FW。
イタリア2部やポーランドリーグで
やっていた以外余り情報は無かったのですが、
先日の試合で
“unselfish(アンセルフィッシュ)”な選手だと
いうことがわかりました。

それは5点目のシーン。

4-2で今治リードの試合終了間際。
アディショナルタイム。

途中出場したフィリップ選手にボールが渡り
シュートを打ってもいいシーンで
なんとパスを出して高瀬選手のゴールを
アシストしたんです。

外国籍選手でしかもFW。
勝敗はほぼ決まっている中、
定石ではシュートの場面。
しかもホームデビューで
自分をアピールしたいはずなのに
より得点の可能性の高い選択肢をしたのです。

この選手は
unselfish=自己中心的でない
チームファーストな選手だと
お見受けしました。

サッカーだけではありません。
仕事でもそう。
やはり人というのは…
まあ、その話はいいとして。

FC今治はこの後、ホームで連戦です。
(次節8/14vsFC岐阜、
次々節8/21vsカマタマーレ讃岐)

「ホーム3連戦3連勝して
その後の鹿児島に
挑戦状を叩きつけたい❕」(橋川監督)

適材適所に選手を配置したFC今治は
今シーズン、最強チームになっています。

↑試合後、労い合う
W杯南アフリカ大会日本代表の
監督と選手だった
岡田武史さん(FC今治会長)と
松井大輔選手(現YSCC横浜)。

記者プロフィール
この記事を書いた人
江刺伯洋

江刺伯洋(えさし はくよう)1971年3月1日松山市生まれ。
入社以来アナウンサーとして主にスポーツやラジオを担当。特にサッカー実況は少年からJリーグまで全カテゴリーをこなしてきた。
著書に愛媛FCのJ昇格劇を描いた「オレンジ色の夜明け」、「群青の航海 FC今治、J昇格まで5年の軌跡」がある。【現担当番組】DAZNのJリーグ中継(FC今治、愛媛FC)、ラジオ生ワイド「江刺伯洋のモーニングディライト・フライデー」(毎金曜午前07:15~11:09)など。

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