愛媛FC前半戦、好調なのは間違いないが…  

オピニオン室

昨日、カマタマーレ讃岐との試合を勝利(2-0)し
シーズンの折り返しで
今季最高位の6位(*暫定)まで浮上した愛媛FC。

そんじょそこらの下位チームには
もう負ける気がしません。

左サイドにベテラン・前野選手が復帰したことで
攻守のバランスが良くなりました。
スーパーな選手はいないかもしれませんが
石丸監督のスタイルはほぼ完成形に
近づいています。

今シーズン、コロナや怪我人の影響で
3連敗からのスタートで躓きましたが、
ここ1カ月で
「ようやく(理想の)メンバーを組める
ようになった」と石丸監督も
自信を深めています。

J3はここまで上位3チームが抜けていましたが
昨日、首位の鹿児島ユナイテッドが敗れる波乱。

現在1位いわきFC、2位松本山雅、
3位鹿児島ユナイテッドで第1グループ。
これに愛媛FCとFC今治を含む7~8チームが
第2グループで続きます。

トップの背中がハッキリと見えてきたことで、
中位で踏ん張っていたチームに今、
大きなチャンスが来ています。

愛媛FCの今季前半のハイライトは
その第1グループに
ホームで連勝したこと(3-2松本、1-0鹿児島)。

昨年、ホームでわずか1勝だったのが
既に今季はホームで5勝もしています。

好調なのは間違いないのですが
気になる事が一つ。
先日開いたばかり(7/15~)の「第2次移籍ウィンドー」で
未だ選手を一人も補強させていない事(7/18現在)です。

Jリーグは基本、年に2回ある
この「移籍ウィンドー」中に選手を補強できます。

もちろん現有戦力で十分いける
との判断なのでしょうが
シーズンはまだ半分残っています。

中心選手の怪我、累積警告での出場停止…
大事な終盤で何があるかわかりません。

今は要らないと思っていても
このウィンドーが開いているときに
一人でも二人でも補強しておくべきだ
というのが持論です。
(今後、加入発表があるかもしれません)

愛媛FCが目指しているのは
そこそこの成績ではなく
“昇格”(1位or2位)です。

今まで二度の昇格を目の当たりにしていますが、
必要なのは
選手たちの“実力”と、
スタッフや練習施設、ファンなどクラブが持つ“総合力”と、
これだけは説明できない“不思議な力”です。

愛媛FCが目指すのは1年でのJ2復帰。
過去、J2から降格して
1年で昇格したのは1チームだけ。
大分トリニータしかありません。
普通にやっていれば手に入るものではないのです。

2016年、大分トリニータは
途中10位まで成績を落としていましたが
ラスト5試合。
怒涛の勢いで連勝し
J3優勝で逆転昇格を決めました。

実はその年、大分トリニータは夏の移籍で
3人の選手を補強しています。

そのうち山口 真司と八反田 康平いう2選手は
最後5連勝したとき
主力として
全試合先発出場しています。

2005年、愛媛FCがJFLを優勝して
昇格を決めた時、
シーズン途中で補強選手として
移籍してきたのが
現在の石丸監督でした。

因みに
その後大分トリニータは
2018年もJ2リーグを2位で終え
J1昇格を果たします。

なんとわずか3年で
J3⇒J2⇒J1という離れ業をやってのけたのです。

さて。
愛媛FCが
2016年大分トリニータ以来の快挙となるか。
夏の第2次移籍ウィンドーは
8月12日まで開いています。

記者プロフィール
この記事を書いた人
江刺伯洋

江刺伯洋(えさし はくよう)1971年3月1日松山市生まれ。
入社以来アナウンサーとして主にスポーツやラジオを担当。特にサッカー実況は少年からJリーグまで全カテゴリーをこなしてきた。
著書に愛媛FCのJ昇格劇を描いた「オレンジ色の夜明け」、「群青の航海 FC今治、J昇格まで5年の軌跡」がある。【現担当番組】DAZNのJリーグ中継(FC今治、愛媛FC)、ラジオ生ワイド「江刺伯洋のモーニングディライト・フライデー」(毎金曜午前07:15~11:09)など。

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