この1勝はデカい❕

オピニオン室

土日のゲームは
愛媛FCもFC今治も
最後まで手に汗握る
ハラハラゲームでした。

ホーム戦(愛媛FC)と
アウェイ戦(FC今治)ではありましたが
共になりふり構わず
泥だらけになりながら
掴み取った1勝でした。

ここ最近は
両チームの監督、選手から
「もう(昇格するには)ギリギリなんで」
という切羽詰まったコメントが
練習段階から飛び交っていました。

シーズンは全34試合。
11月の最終節まで
半分に近づいたところ。

これで
愛媛FCは勝点19で10位、
FC今治は勝点20で9位。

首位鹿児島と
勝点約10の差となりました。

なんとか踏みとどまった
愛媛FCとFC今治。

もしどちらかが負けていたら…
と思うとゾッとします。

なりふり構わずというのは
お互いのスタイルに表れていました。

ホームに
強豪、松本山雅を迎えた愛媛FC。

先制したけど追いつかれ
1-1になった嫌な流れを
完全に断ち切ったのは
後半、茂木選手の
直接フリーキックでした。

「メチャクチャ気持ちよかったです❕」

笛が鳴った瞬間、
自分で蹴るぞと決めていたそうです。

「フリーキックであんな感触良く
キレイに入ったのは
プロになって初めてですね❕」
「今日落としたらホントに
(昇格は)無いぞっていう話を
選手でしてたのでホッとしています」

これで2-1。

その後、お互い1点ずつ取り合って
終わってみれば3-2の辛勝でした。

盛り上げ隊長の森脇選手も
この表情。

からの投げキッス。

こちらは試合後、
元日本代表のレフティ・レジェンド
松本山雅・名波浩監督。

「愛媛は
いつもの繋ぐスタイルを捨てて
我々の(ディフェンスの)ハイラインの
背後にボールを供給してきた」
「跳ね返しても
セカンドボールを取られてしまった」
と終始苦い表情でした。

その言葉通り
愛媛FCは先週のトレーニングで
珍しくメディアをシャットアウトして
相手守備の裏を突く練習を
徹底していました。

「2,3点目は
スーパーゴールだった。
相手(愛媛FC)を褒めるしかない」
それまで9試合負けなしで
上位(3位)だった松本山雅にとっても
大きな敗戦となりました。

一方、ギリギリで踏みとどまった
愛媛FC、石丸監督の第一声。

「疲れました…w」
「見てる人は
ハラハラドキドキして
面白かったかもしれないが
僕たちは大変した」
「とにかく勝ててよかったです」

最後、
守備的なスクランブル布陣にして
攻められながらも何とか逃げ切った。

それは2-1(対藤枝MYFC)で
こちらも辛勝だったFC今治と
全く同じシチュエーションでした。

負けていると
何かが大きく失われるゲームに
愛媛FCとFC今治が
手にしたトライアンフ。

愛媛FCは
次節(土曜日)もホームゲーム。

現在首位の
鹿児島ユナイテッドとのビッグマッチ。

その翌日(日曜日)には
FC今治のホームゲーム
(対アスルクラロ沼津)があります。


両チームに余裕はありません。

タイトロープ状態は当分続きますが
この我慢比べに
腰が引けているようでは
勝負になりません。

梅雨が明けて
シーズンが丁度、折り返しを迎えるころ
最初の結果が見えてきます。

記者プロフィール
この記事を書いた人
江刺伯洋

江刺伯洋(えさし はくよう)1971年3月1日松山市生まれ。
入社以来アナウンサーとして主にスポーツやラジオを担当。特にサッカー実況は少年からJリーグまで全カテゴリーをこなしてきた。
著書に愛媛FCのJ昇格劇を描いた「オレンジ色の夜明け」、「群青の航海 FC今治、J昇格まで5年の軌跡」がある。【現担当番組】DAZNのJリーグ中継(FC今治、愛媛FC)、ラジオ生ワイド「江刺伯洋のモーニングディライト・フライデー」(毎金曜午前07:15~11:09)など。

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