“伊予決戦”には唯一無二の可能性がある!

オピニオン室

昨日(5日)、満員のフルハウスで
開催された愛媛FCとFC今治
初のダービーマッチ、“伊予決戦”。

4,600枚の前売りチケット完売。
夢スタで前売りが完売したのは
2017年9月10日の
スタジアム完成杮落とし以来、
2度目です。

まだFC今治は
JFLアマチュアリーグ所属でした。
(*その時は前売り5,000枚完売)。

愛媛サッカーの
新しい歴史の幕が開けた昨日、
勝ちチームとして
名が刻まれたのはFC今治でした。
(2-0愛媛FC)

FC今治の突然のシステム変更に
愛媛FCの守備がハマらなかったとか
細かい要因はありますが、
最大の勝因は、FC今治の方が
より“崖っぷちだった”からです。

FC今治はここまで天皇杯を挟んで
公式戦3連敗中、11位に後退。

愛媛FCは7試合無敗で2連勝中、
初の一桁、9位に浮上。

両チームの環境は対照的でした。

愛媛FCが
ファイトしてなかったわけでは
ありません。

ライバル同士の
タイマン勝負に相応しい
バッチバチの好ゲームでした。

最後は気持ちだったと
陳腐な表現は嫌ですが、
今治が持つ
これ以上負けると本当に後がない。

昇格戦線から離脱してしまう!

という強迫観念のような雰囲気が
選手たちから漂っていました。

もちろん、
これで終わったわけではありません。

愛媛FCは9月の第2ラウンドで
やり返せばいいのです。

なんと嬉しい事でしょう。

両クラブが存続する限り
この“伊予決戦”は永遠に存在するのです。

「マージーサイドダービー
(エヴァートンvsリヴァプール)」や
「多摩川クラシコ
(川崎フロンターレvsFC東京)」
などに比べると
見劣るかもしれません。

しかし四国に、愛媛に
“伊予決戦”というダービーマッチが
あるんだ❕

と誇れる試合内容、
そして盛り上がりでした。

もう一つ、大きな可能性の話。

↓この写真、違和感あるの分かります?

ゴール裏アウェイ席(愛媛FC)の上に
ホーム(FC今治)のサポーターが
見えます。

これはどこのスタジアムでも
あり得ないことです。

特にダービーでは
恐らく日本で(世界でも?)ここだけ。

唯一の事象です。

クラブが
両チームのサポーターを分けるのを
サボったわけではありません。

試合前の共同会見で
FC今治・矢野将文社長が
「うちの岡田(武史)会長が
今治に来た当初から
“愛媛FCとはいがみ合うのではなく
共に創る、共創のダービーにしたい”
と言ってきた。

夢スタは日本一モラルの高い
スタジアムを目指してます!

安全は守られると信じています」
と強調しました。

実際、大きなトラブルも
無かったそうです。

発煙筒がたかれて
両サポーターが罵り合う
ダービーマッチにも
多少の憧れはありますが、
10万人の大観衆が入っても
危険なスタジアムに行きたいとは
思いません。

やっぱり愛媛にフーリガンは必要ない。
目指せ!
世界一“安全”で“熱い”伊予決戦。

まだ歴史のない
ダービーマッチだからこそ出来る、
唯一無二の可能性。

実現すれば、画期的な「夢」です。

さて、第2ラウンドは9/10(日)。

今度は愛媛FCがホームで
どうやりかえすのか。

今から楽しみで仕方がありません。

記者プロフィール
この記事を書いた人
江刺伯洋

江刺伯洋(えさし はくよう)1971年3月1日松山市生まれ。
入社以来アナウンサーとして主にスポーツやラジオを担当。特にサッカー実況は少年からJリーグまで全カテゴリーをこなしてきた。
著書に愛媛FCのJ昇格劇を描いた「オレンジ色の夜明け」、「群青の航海 FC今治、J昇格まで5年の軌跡」がある。【現担当番組】DAZNのJリーグ中継(FC今治、愛媛FC)、ラジオ生ワイド「江刺伯洋のモーニングディライト・フライデー」(毎金曜午前07:15~11:09)など。

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