岡田武史さんが今治にやってきて
最初に開催した新体制発表会は2015年2月、グリーンピア玉川でした。
それから数えてもう8回目。
全ての新体制発表会に出席しましたが
毎度思うのは
いちサッカークラブの、しかもJ3リーグの
新体制発表会とは思えない
異質の規模とその内容です。
まるで大企業の業務報告会のような
株主総会のような様相を呈しています。
まず、矢野社長から昨年の事業報告がありました。
①小学4年ジュニアから高校3年U18チームまで
下部組織全カテゴリーが揃ったこと。
②AI技術を導入し「岡田メソッド」をIT化したこと。
③レディースチームがなでしこ2部に挑戦すること。
④今治だけでなく西条でも中学生、高校生への巡回指導を開始したこと。
その成果として今治東が全国高校サッカー選手権に出場。
海外事業では
⑤中国浙江省のサッカークラブ杭州緑城へコーチ派遣しているが
教えた選手が20歳の全国大会で優勝。契約が継続されたこと。
サッカー以外では
⑥「しまなみ野外学校」や「しまなみアースランド」事業で
子供たちが自然と触れ合えるキャンプやイベントを開催したこと。
などなどが報告されました。
この時点でもう普通のプロサッカークラブの域を超えています。
お金の話も詳らかにします。
昨年のスポンサー数は個人、企業合わせて328。
2015年時点は67でスタートしたので
6年で約5倍に膨れ上がりました。しかもこのコロナ禍で。
2020年度の各Jクラブ営業収益で見ると
FC今治は8億3400万円。これはJ3で2位。
1位はFC岐阜の8億5300万円。
最下位はY.S.C.C.横浜の7300万円。愛媛FCは8億500万円です。
因みに今年、J3に初降格した松本山雅はなんと19億2800万円!
クラブの予算規模と成績はほぼ比例するので
そんなお金持ちチームと争わなければいけません。
今年のJ3リーグは史上最強の戦国レースとなるでしょう。
「今年(J3に)落ちた4チームはJリーグから
1億2千万(円の降格救済金が)貰える。
FC岐阜も凄い補強している。相当厳しい戦いになる」
岡田会長もかなり警戒しています。
ただ
「なにもレアル・マドリードと試合をするわけじゃない。
きっちりやれば十分戦える戦力。一喜一憂してはいけない」と
百戦錬磨の心構えをのぞかせました。
4月1日の第1次移籍ウィンドーが閉まるまで
「まだ足らないピースがあるので補強を続ける」と言ってましたが
今月頭に発表されたブラジル人FWの加入でおそらく打ち止め。
スーパーな選手はいませんがポジション別にバランスよく
補強されました(新加入12人、退団16人)。
特に実績のない外国籍選手は蓋を開けてみないと分からないので
気になるのは得点力でしょうか。
「去年はスタジアム建設費40億円の調達に必死だった。
そのことばかりで一つ勝つことや一つ負けることが
小さい事に思えていた。
トップがそんな姿勢なんだから勝てるわけがない。
練習もアウェイの試合も見に行けてなかった私が
選手獲得の決定も全部していた。
これじゃ勝てるわけないですよね。
今年は初めてGM職を設け竹元(義幸)さんに来てもらい
トータルコンディショニング・アドバイザーや栄養士、
補強もギリギリまでやって万全の体制で臨む」
「コロナ?関係ない。ケガ人?関係ない。
もう留まることはあり得ない。全速前進で行きます!」
岡田さんが言うまでもなく今季チーム最大の目標はJ2昇格です。
ただ
FC今治が唯一無二なのはそれだけじゃないところ。
2015年から岡田さんが言い続けている
もう一つの事がクラブの最終目標。
【“物の豊かさより心の豊かさ”が実現できる
新しい社会造りを達成する】
そのための「新しいコミュニティの拠点」と意気込むのが
新スタジアム「里山スタジアム」です。
最新情報も交えて
その話は後篇でお伝えします。
PS:次の日曜2/13のFnam南海放送ラジオは
中四国ライブネット「愛媛発 これが中四国のJチームだ!」
18:00~20:00で古谷ANとやります❕