ニュースのウラカタ 番外編「マラソン中継のウラカタ」
この原稿を書き始めた今、1月30日(日)午前9時31分です。
本来なら「愛媛マラソン」のスタートが迫る時刻ですが、
今年はオミクロン株の猛威により、中止となってしましました。
ただし、中止にはなりましたが、
ランナーや大会関係者の愛媛マラソンへの熱い思いを視聴者に伝えたいと
特別番組を放送します。
「これが私の愛媛マラソン」
このあと、10時25分スタートです。
南海放送で働く人たちにとって、
1年の中で最も重要なシーンのひとつが
愛媛マラソンと愛媛マラソンの中継です。
私も、25年前の入社以来、
ディレクターとして、ほぼ中継に関わってきました。
時代を経るごとに大会は大きくなり、
伴って番組の規模も中継の規模も大きくなってきました。
系列各局からの技術応援もたくさんいただいて、
番組だけで150人以上のスタッフが携わります。
私の愛媛マラソンは、
新人ディレクターの登竜門である
スタート&フィニッシュ地点の中継FD(フロアディレクター)、
移動中継車のFD、スタジオの進行FDなど
ディレクターの補助的な役割にはじまり、
経験を積んでくると
中継車のD、スタート&フィニッシュ地点のD、
サブの連絡D(まあまあ重要なポジション)、
第2部の「もぎたて愛媛マラソン」のメインDと
いろいろ経験させてもらいました。
その中で「これが私の愛媛マラソン」と言えるのは、
ランナーと一番近くで仕事をした第3移動中継車のFDです。
中継仕様に改造され、中継機材を満載したバンタイプの車に乗り込み、
ランナーの走りを伝えます。
第3移動車は、市民ランナーと女子ランナー中心のリポートを担当します。
運転手さん以外の、
リポーター、D、FD、カメラマン、技術担当が全員後ろ向きに座って、
ランナーの雄姿を前から捉えます。
FDの主な仕事は、
事前取材により情報を持っている(リポート可能な)ランナー探し。
申告タイムをもとに計算し、
今、そのランナーがどこを走っている可能性が高いかを割り出し、
D、リポーターと相談しながらその辺りへ中継車を導くのです。
窓は全開放、ほぼ吹きさらし状態で長時間コース上を行ったり来たりします。
リポートしていないときは、ランナーに声援を送りつつ。
今、この原稿を書きながらも頭に浮かぶ、
ランナーの走りから受けた感動、
リポートがうまくいったときの移動車スタッフ全員が味わう達成感、
そして、うまくいかず番組メインDから浴びせられた罵声、
悔しさに涙した入社3年目の冬…
「これが私の愛媛マラソン」。
筆を置こうとしている今、時刻は10時12分、
隣のサブで行われていたリハーサルは先ほど終わったようです。
若いスタッフが中心に制作した2時間半に渡る特別番組。
ぜひご覧ください。