ニュースのウラカタ#28 「ウラドリ」

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ニュースのウラカタ#28 「ウラドリ」

放送局や新聞社は、
発表されてからではニュースバリューが落ちる情報を
いかに発表前に掴んで報道するか…
という競争を常に且つ潜在的に行っています。
いわゆる”特ダネ”を競っているのです。

今回のテーマ「ウラドリ=裏取り」とは、
掴んだ情報が事実であることを確認する作業です。

例えば、ニュースCH.4のある記者が、
「〇〇さんが次の▽▽選挙に出馬するらしい」という
特ダネになるかもしれない情報を掴んだとします。

これが事実であれば、ニュースとして放送できますが、
”らしい”では放送不可です。
ここでウラドリ。

ウラドリの方法はいろいろありますすが、
・情報源の信頼度の評価(当該情報との距離や関係性)
・追加の周辺取材
・直あたり(本人取材)
などで事実かどうか判断します。

特ダネの対象となりやすいのは、
私たちローカル放送局の場合は、
警察ネタ(事件発覚、犯人特定)、選挙ネタ、
人事ネタ(社長交代、自治体特別職)、
経済ネタ(注目の店進出、倒産)など。

キー局やスポーツ紙、週刊誌の場合は、
芸能ネタや政治ネタ、
スポーツ関連のネタなども加わります。

いずれの場合も必ずウラドリして、
報道部門のトップ(会社のトップの場合もあります)が
事実であると判断した場合のみ報道されます。

ただし、判断を誤ることがあり、
その場合、誤報という汚名を着せられてしまうのです。

私たちは、情報の中には、
”あやふやな”ものや
逆に”掴まされた”ものがあるかもしれないという意識をもって
慎重にウラドリを遂行しています。

ウラドリの話はここまでですが、
ここからは私がニュースのウラカタとして
大切にしている視点「ギャク=逆」についてお話します。
裏と逆って、なんだか似た雰囲気なので…

幼い頃から、人と同じことをするのが好きではありませんでした。
天邪鬼と言われればそれまでですが、
常に違うこと違うことをやろうとしているうち、
何でも逆のことを試してみるようになりました。

家では自由だったので、
時計を逆さに置くとか、
階段を後ろ向きに上がるとか、
世界地図を逆さに貼るとか、
鏡越しにテレビを視聴するとか、
こたつの天板を45度回転させて使うとか、
畑で抜いた雑草を花壇に植えるとか…

ただし、学校では注意される恐れがあるので、
テストで名前を後ろから書いてみるとか、
鉛筆を背中から削って使うとか、
体育の深呼吸の際、息を吸うふりをして吐くとか、
利き手ではない左手で歯磨きするとか(これ案外難しいです)、
些細な逆を実行していました。

その習慣が、
今の仕事に生かされているような気がします。
番組の演出や企画のアイディア出し、
タイトルのネーミングなどにです。
ものごとを色々な方向から見る癖と言いますか…
何が???と思われるかもしれませんが、
感覚的なものなので、説明のしようがありません。
すみません。

ただ、ギャクDNAは遺伝しているようで、
先日、小学4年生の愚息が
新しい遊びを考えたと言ってボール紙を持ってきました。
タイトルは「ぎゃくじゃんけん」。

読んで字の如く、じゃんけんの勝ち負けを逆にしたものです。
パーはチョキに勝ち、
チョキはグーに勝ち、
グーはパーに勝ちます。

親子でやってみましたが、「ふーん」という感じでした。
特におもしろくないのです。

おもしろくするためには何かが必要ということで
2人で考えたのが
「勝った方はバンザイしよう」
「負けたら頭を抱えよう」という追加ルールです。
そして勝負は、リアクションの早さ。
じゃんけんで負けても、逆転できるというもの。


これがバカウケ!おもしろいのです。

やってみると実感できると思いますが、
45年間じゃんけんと付き合ってきた私は、
認識ではなく反射で勝ち負けを判断していたようです。

なので、グーがパーに勝つことを頭で考えると混乱して
バンザイが遅れます。
じゃんけん歴7年の少年に、
ことごとくリアクションスピードで敗れてしまいました。

暮らしの中には、まだまだステキな”ギャク=逆”が
いっぱいありそうです。

「ぎゃくじゃんけん」は、
4年3組のお楽しみ係として提案することにしたそうで、
少年は、追加ルールがボタンひとつで出てくるギミックを
工作していました。


ちなみに、南海トラフ地震も気になっているようです。

手描きの世界地図にビニールシートを被せると…


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記者プロフィール
この記事を書いた人
宇都宮宏明

西予市宇和町出身、1996年 南海放送入社後、主にテレビ番組制作部門。
「もぎたてテレビ」のディレクター・プロデューサーなど担当。
2018年~「ニュースCH4」デスク(自称”世界で一番優しいニュースデスク”)。

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