第16回「いま道後がアツイ!!②~ひみつジャナイ基地って?~」

オピニオン室

◆「ひみつジャナイ基地」って?

前回ご紹介した、「ツバメの恩返し」に引き続き、今回も道後エリアの話題です。
道後商店街には、このような“ちょっと変わった交流スペース”が誕生していました。

松山市は、道後温泉本館の改築120周年に合わせて、アートフェスティバル「道後オンセナート2014」を開催しました。このイベントでは、写真家の蜷川実花さんが鮮やかな花火の写真で市内電車をラッピングしたり、石本藤雄さん、谷川俊太郎さん、草間彌生さん、荒木経惟さんといった豪華アーティストが道後の旅館・ホテルの一室を宿泊できる芸術作品に仕上げたりするなどして、地元住民や観光客を魅了しました。
この取り組みは、「道後アート2015」、「道後2016」、「道後オンセナート2018」と引き継がれ、2019年5月30日から「道後アート2019、2020」がスタートしました。
この「道後アート2019、2020」の交流拠点となるのが「ひみつジャナイ基地」です。

「道後アート2019、2020」の監修・メインアーティストは、テレビや雑誌などでもおなじみの東京藝術大学美術学部長、日比野克彦さん。
今回は、「オール松山・オール道後」の参加型アートプロジェクトを目指していて、日比野さんは5月に道後を訪れ、地元関係者と一緒に「ひみつジャナイ基地」の“仮拠点”を道後商店街の「伊織」の中に完成させています。この仮拠点では、観光客らが自らの“秘密”を思いのままに紙に描き、アート作品として表現。参加者の“秘密”が“ひみつジャナイ”ようになっています。

◆誰もが憧れた「秘密基地」

道後温泉本館は2019年1月15日から営業を続けながら約7年間の保存修理に入っていて、観光客など交流人口の減少をいかに食い止めるのかが課題です。
「道後アート2019、2020」では、2020年5月まで、時宗の開祖・一遍上人ゆかりの「宝厳寺(ほうごんじ)」周辺の上人坂エリアに“正式な”交流拠点「ひみつジャナイ基地」をつくることになっています。
さらに、一遍上人の踊念仏にちなんで「宝厳寺」を舞台にした“踊りプログラム”やホテルや旅館をギャラリーに見立てたアート作品の展示会などが展開される予定です。

子どもの頃、誰もが憧れた「秘密基地」。

大人になってもワクワクできる。そんな「ひみつジャナイ基地」を拠点にこれから道後のまちにどのような交流が生まれ、そして、発展していくのか注目です。

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ。
1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任し、現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。

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