◆「ツバメの恩返し!?」
先日、道後のまちを散策しました。
すると、道後商店街のコンビニで、こんな“ほほえましい風景”に出会いました。
看板の「L」のところにあるのは、ツバメの巣。そこにはツバメのヒナがいました。
このコンビニでは、2018年4月に故障した看板の照明を修理しようとしたところ、「L」の部分にツバメの巣があったということです。しかし、修理のために巣を壊したり、照明で成育の邪魔をしたりするとツバメたちが大変だとコンビニオーナーのやさしさで「L」の文字だけそのまま直しませんでした。巣立ったあともまた、戻ってきてほしいという思いを込め、看板の修理をしないで待っていると、なんと、今年もツバメたちが巣をつくったのです。そんなやさしさがSNSなどで話題を呼び、道後のまちに観光客を呼び込んでいました。
コンビニオーナーは、今年も無事に巣立ってまた戻ってきてほしいと、今後も「L」の文字を修理する予定はないということです。
このツバメの巣を見ながら私は、ふと小学生の頃、およそ30年くらい前になりますが、道後温泉本館の軒下にも数多くのツバメの巣があったことを思い出し、懐かしい気持ちになりました。
◆「道後温泉本館に“巨大火の鳥”出現!?」
一方、耐震化のため、2019年1月15日から営業を続けながら約7年間にわたる保存修理工事に入っている道後温泉本館。このほど、その本館を覆うように巨大な骨組みが出現しました。
本館の保存修理工事そのものの観光資源化を目指す「道後REBORNプロジェクト」。
このプロジェクトの一環として、保存修理工事のために本館の瓦や銅板を外したあと、雨・風から建物を守る「素屋根(すやね)」を設置する工事が6月4日に始まったためです。
「素屋根」は、通常、無地ですが、この保存修理工事ではちょっと様子が異なります。
本館のおよそ3分の1を覆う「素屋根」は、巨大なキャンバスとなって、手塚治虫さんの代表作「火の鳥」などが描かれることになっています。
本館工事による観光客の減少で、地元経済への影響が心配されている道後温泉本館。「火の鳥」とコラボしたアニメーションの世界配信や明治時代に使われていた北側玄関の復活など、あの手この手で道後の魅力を発信しています。
こうした取り組みの結果、改修に伴い、本館の入浴定員数が縮小されている中、1月15日の工事開始から5月22日までの間の道後温泉本館・椿の湯・飛鳥乃湯泉の3湯合わせた入浴客数は、速報値で、およそ8%の減少にとどまっているということです。
道後温泉本館を包み込むラッピングアートとして、「素屋根」に描かれた“巨大な火の鳥”が道後のまちに現れるのは、7月中旬頃の予定です。