第100回高校サッカー選手権県大会が
先週木曜に開幕しました。
今年もコロナの影響で
東・中・南予地区予選をやめて
全45チームによる
一発トーナメントでの開催となりました。
なので、最初は
強豪校とそうじゃないチームとの対戦が
いくつかあります。
先日の1回戦の結果です。
南宇和21-0土居
松山工業20-0野村
新居浜高専13-0新居浜商業・・・
(他は高校サッカーページでご確認を)
上記のスコアを見た時の感想は
何でしょうか。
「うわあ凄い点差~」
「ここまで入れんでも~」
「負けた方は嫌だったろうなあ~」
でしょうか。
正直、私も
最初の感想はそのどれかでした。
では、この話を聞いてからはどうでしょう。
21点差で負けた土居高校サッカー部・
黒川通幹監督の言葉です。
「夏の県総体が終わって
部員10人しかいなかったので
テニス部やハンドボール部、園芸部に
声をかけて、急遽なんとか13人で
大会に臨んだんです」
コロナの影響で
他校との練習試合も出来ない。
当然紅白戦も出来ず
チーム調整は昨年以上に遅れました。
「それでも子供たちは
“選手権に出られる!”って、
凄いモチベーションだったんです!」
本来なら地区予選で
負けていたかもしれない今大会。
運命の悪戯で
高校サッカー部員にとって
最高で最大の大会に
出場できることになりました。
しかも大会公式パンフレットに
写真と名前まで載ってるんです。
(選手権と無縁の弱小チーム控えだった
私にとって
身悶えするほど羨ましいです!)
その喜びは
土居高校に限らないものだったはず。
組合せが終わり、
対戦相手が南宇和に決まり
相当厳しい試合になることは
当然、監督も選手も分かっていました。
それでもチームで決めていたことがあります。
「絶対に守りに入らないでおこうって。
とにかく(1点でも)点を取りに行くぞ!
って」
試合VTRを見てみると
フラフラになりながら
21発のゴールを浴び続ける
土居イレブンが映っています。
1点でも取りに行きたいんでしょうが
足が動かない。
ボールに触ることさえできない。
やりたくてもやれなかった
練習不足が露呈してしまいます。
「それでもよかったんです。
何があっても
みんなでやろうって決めてたんで。
今年のチームで一番良い試合でした!」
スマホの向こう黒川監督の声は
強がりじゃないと素直に思えました。
敗者だけではありません。
勝った側。
南宇和・藤田充基監督
「土居の子はホントに良く頑張って
何点取られても声が出ていました。
失礼なことは出来ないので
手を抜かずに点を取りに行きました」
同じようなコメントを松山工業・
坂本哲也監督もしていたそうです。
大敗はもちろん悔しくて
少し恥ずかしい想いが
あったかもしれません。
それでも君たちが
圧倒的に羨ましいのです。
この“選手権”という名誉ある県大会に
出られただけじゃなく
おそらく
20年後、30年後
無謀なチャレンジに
あえて挑む若者を見た時、
鼻で笑うような大人には
絶対にならないからです。
もう一度、冒頭のスコアを見てください。
最初とは違う感想を
持ったのではないでしょうか。
コロナのバカタレには
99.9999%不快な想いしか
抱いていませんが
ほんの少しだけ
0.0001%だけ
〝おかげ〟と言わざるを得ません。
もう一つ思うのは。
こういった
コロナじゃなければ起きなかった
小さなドラマ
大敗の裏側にある物語を
我々はしっかりと伝えることが
出来ているのか。
愛媛FCの場合も、
FC今治の場合も同じです。
さて
選手権100回の記念県大会は
11月13日まであります。
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今年のチーム・高校サッカー、本気です
#高校サッカー愛媛