“遺伝子にスイッチを入れろ!”

オピニオン室

「おお~お疲れさん。
どうだ?まだへばってないか?」

「大丈夫で~す♥」
「ゼンゼン、ヘイキで~す♪」

夏休みの真っただ中、小雨振る8月中旬。

全行程なんと320キロ!

超サバイバルツアーのほぼ中間点、

四国中央市で

参加者を激励しようと訪れたのは、

この旅の仕掛け人、

FC今治・岡田武史会長でした。

行きは“歩き遍路”で今治を出発。

西条~新居浜~四国中央~観音寺まで

四国八十八箇所の一部の寺を

巡りながらの160キロ。

帰りは“海遍路”シーカヤックで

瀬戸内の小島~袴島~田島~佐島

~大島~比企島~平市島を漕ぎながら

出発地点の今治までもどる

全行程320キロの超サバイバルツアー。

その名も【しまなみ野外学校5周年特別企画

~海遍路山遍路アドベンチャー320㌔~】

旅途中の食事、寝床、行き先などは

全て自分達で決めるのがツアー唯一のルール。

(念のため、プロインストラクター

“がってん”木名瀬さんが同行します。

この人がまたスゴイんです。ググってみて下さい)

「もともと個人で野外活動教育をやってて

今治に来てからも

毎年キャンプとかシーカヤックとかの

企画をやってたんです。

それが5周年を迎えて、

代表の木名瀬が

記念ツアーをやりたいっていうから。

そしたら

とんでもないプログラムで

誰も参加者来ないぞって言ってたら

意外に反応が良くてね」

全国からこのサバイバル旅に

参加したいと今治市に集まったのは

14歳の中学生から

20歳までの若者たち7人。

「このキャンプを通して

自分の力で生きていけるっていう

自信をつけたい!」

「こんなに長期の期間で

存分に楽しめて学べることは

もうあんまりないのかなと。

だから楽しんでいきたい!」

この企画、毎回参加するのは

男子より若い女性の方が多いそうで

今時の若者は思ったよりタフなのです。

にしても

なぜサッカーチームのオーナーである

岡田さんが・・・?

「今は何でも便利、快適、安全になって。

公園の遊具で怪我人が出たら

全部使えなくなる。

こんなに守られて強くなれるのか。

今の子供たちは

“遺伝子にスイッチが入ってない”って

言われてる。

そのチャンスを与えたくて」

“物の豊かさより心の豊かさ”

プロサッカーチーム、FC今治の理念です。

断っておきますが

いちサッカークラブの理念です。

こんな理念をトップに掲げている

サッカークラブは

日本中探してもどこにもありません。

唯一無二、FC今治だけです。

道沿いのスーパーで食料を買い込み

少しの休憩の後、

タブレット端末と紙の地図を使い、

遍路道を歩くのか、別の道を進むのか、

自分たちが選んだ道を進みます。

この日同行する岡田さんも木名瀬さんも

口を挟むことはしません。

初対面同士、家族と離ればなれになっての

旅も約1週間。

そろそろスマホが

恋しくなってるだろうと思いきや・・・

「携帯無くても楽しい事に気が付きました!」

「初日だけ気になったけど、

直ぐ気にならなくなりました~」

「疲れも出てきて楽しいけど

日常生活化してきている感じします。

歩くことが

しんどくても乗り越えて行けそうです!」

遺伝子のスイッチが

はやくも点灯しているようです。

世間が自粛している中、

この企画をやるかどうか

とても悩んだけれど

こういう時こそ勇気、元気を与えたいと

開催に踏み切りました。

「成長ってのは

困難を乗り越えたときに出来る。

誰かと助け合ったという絆を作る大切さに

気付いてもらいたい」

毎回、参加した子供たちは

旅の直後から劇的に変わるそうです。

でも本当の大きな効果は

もっと長い先に出ると

岡田さんは締めくくりました。

自然と共生した20日320㌔。

彼ら彼女らがどう成長したのか。

そしてゴールした瞬間、

一番最初にしたいことは何と言ったのか?

答は今週の金曜日(予定)、

南海放送夕方ニュースCh4で確認出来ます。

記者プロフィール
この記事を書いた人
江刺伯洋

江刺伯洋(えさし はくよう)1971年3月1日松山市生まれ。
入社以来アナウンサーとして主にスポーツやラジオを担当。特にサッカー実況は少年からJリーグまで全カテゴリーをこなしてきた。
著書に愛媛FCのJ昇格劇を描いた「オレンジ色の夜明け」、「群青の航海 FC今治、J昇格まで5年の軌跡」がある。【現担当番組】DAZNのJリーグ中継(FC今治、愛媛FC)、ラジオ生ワイド「江刺伯洋のモーニングディライト・フライデー」(毎金曜午前07:15~11:09)など。

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