きずな博延期 豪雨とコロナからの“復興”

ニュース解説

中村知事は今月14日、
来月から始める計画だった
えひめ南予きずな博を
コロナの感染状況などを理由に
来年4月からの開催に
延期すると発表しました。

“豪雨”“コロナ”という、
2つの災害をどう乗り越え
復興へとつなげていくのか。

課題を考えます。

きずな博は来年4月開幕へ

  定例記者会見・6月14日

「開催時期については、
ワクチン接種の進展の見通し等も踏まえ、
集客を伴う主要イベント等については
来年度に延期したい。

南予の魅力と合わせて
復興への力強い歩みを
メッセージとして発信し、
県内外からの誘客に
取り組みたい。

今回の延期を地域内外との
絆の強化に向けた
準備期間と前向きに捉え、
コロナ禍で変化した働き方や
生活様式にも対応した、
新たな観光・交流のかたちを
構築したい」

感染状況に左右される大型イベント

  県南予地方局の事務局

えひめ南予きずな博は、
3年前の西日本豪雨で
大きな被害を受けた
南予の復興を後押ししようと
開催される大型イベントです。

  内子町のワーケーション・3月

当初は7月から12月までの
半年間で計画され、すでに
ワーケーションなどの
プレイベントが行われていました。

しかしこの春、県内で
コロナの感染が拡大したことを受け、
開催時期が再検討されていました。

延期で回避できるリスク

開催時期の延期により、
大きく2つのリスクが
回避できると考えられます。

一つは、
事前準備の時間が
確保できる点です。

きずな博では
“復興応援と支援への感謝”をテーマに
大洲市、西予市、宇和島市の3市で
シンボルイベントが開かれます。

このうち宇和島市では去年11月、
イベント関係者が県外から吉田町を訪れ
具体的な打ち合わせを
スタートさせました。

  関係者の打ち合わせ・去年11月

ステージイベントでは
実際に参加者が集まっての
練習などが欠かせませんが、
コロナの拡大とともに、
事前の練習や打ち合わせの時間を
確保できない状況が続いていました。

来年4月からのスタートになれば、
準備に要する時間が
今まで以上に確保でき、
より深みのあるイベントになる
余裕が生まれます。

*********

二つ目は、
ワクチン接種が進み、
観客を含めたイベントに関わる
すべての人の安全性が高まるという点です。

国が掲げる7月末までの
高齢者向け接種の完了を目標に、
県内でも急ピッチで
接種が進んでいます。

きずな博が始まる来年4月には、
高齢者以外へも接種が進み、
それとともに社会全体の
感染リスクは低くなると考えられます。

きずな博で被災地に笑顔の花を

間もなく豪雨から3度目の
7月7日を迎える被災地では、
崩れたミカン園の復旧や
砂防ダムの建設が進んでいます。

  吉田町のミカン山・今月上旬

しかし、被災地での取材を通じ、
災害で人々が負った心の傷は、
3年が経つ今も
なかなか癒されてはいないのでは
とも感じます。

来年春に始まる
きずな博を通じ、
そうした人々の心に
笑顔の花が咲いてほしいと
思います。

 

記者プロフィール
この記事を書いた人
中武正和

1975年11月松山市生まれ。南海放送南予支局(宇和島駐在)記者として一次産業を中心に様々な話題を取材。西日本豪雨は発生時から被災地で取材活動に従事。2021年4月から県庁担当記者。南予・東予から届く支局の話題を分かりやすく解説します。

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