男とか、女とか、ダービーとか

ニュース解説

先週の土曜日、

愛媛の全サッカーファンが注目した

愛媛FCとFC今治の公式戦初対決が実現しました。

初対決の舞台はJリーグではなく

カテゴリーも、プロも、アマもカンケー無いねの

ごっちゃ混ぜ

日本最古で最大の天下一決定トーナメント、

“天皇杯”での1回戦でした。

結果はご存じのとおり

J3・FC今治がJ2・愛媛FCを2-1で下し

アップセット(番狂わせ)を達成し2回戦進出。

格上の愛媛FCとしては悔しい結果となりましたが

地元ライバル同士、意地と意地がぶつかり合った

白熱した好ゲームでした。

シュート数も愛媛FC10本 対 FC今治10本のイーブン。

最後はリードされた愛媛FCが

いつ追いついてもおかしくない展開で

試合終了直後、今治側からスタジアム中に響き渡る

雄叫びがあがったのは

その苦しさを如実に表していました。

またひとつ愛媛サッカー史に新しいページが刻まれ

サッカーファンとしてはとても幸せな90分でした。

こういった番狂わせがしばしば起きるのが

トーナメントの怖さです。

翌日、お隣高知県でも同じ天皇杯1回戦で

JFL・高知ユナイテッドSCが

J3・カマタマーレ讃岐に勝利(1-0)

するという番狂わせが勃発。

土日の四国はダブル・アップセットDAYだったのです。

(2回戦6/9、J1・徳島ヴォルティス対高知ユナイテッド

*またも四国決戦!

J2・京都サンガ対J3・FC今治)

こういったダービーでもう一つ怖いのは

お互いの気持ちが入りすぎて

試合が壊れてしまうことです。

バチバチの火花散るゲームだったのに

そうならなかった

そうさせなかった立役者がこの日いました。

先週のJリーグで“史上初の女性主審”として笛を吹いた

山下良美審判です。

山下審判員は大学卒業後2012年女子1級審判員の資格を取得、

U-17女子ワールドカップ、女子アジアカップ、

女子ワールドカップなどを担当し2019年1級審判員に認定。

先日(5月16日)行われたJ3リーグ第8節

Y.S.C.C横浜対テゲバジャーロ宮崎の試合で

女性審判員としてJリーグ初の主審を担当し、

この試合がプロトップチーム同士の対戦で主審を務める

2試合目でした。

いつかお会いできたらいいな~と思っていたら

なんと試合前、ピッチ脇でウォーミングアップをする

山下さんを発見!

確認すると、なんとこの日の主審ではありませんかっ。

(公平を期すため試合直前まで審判名は不明)

なので試合中は山下主審にずっと注目してました。

噂通り終始凛とした態度で、

かといってむやみにカードを出して

選手を威圧するのではなく、

(36分FC今治・東家にラフプレーによるイエロー提示1枚のみ)

ファールを取った後、何度も選手に直接説明するなど

しっかりコミュニケーションを取っていて、

ダービーの激しさを残しつつコントロール。

男性主審でもナーバスになる注目の一番を

見事にさばいて見せました。

「これからもこの機会が続いていき、

この状況が当たり前になるよう、

目の前の試合に全力で臨みたいと思います」

初の主審を務めたJ3リーグ第8節後、

日本サッカー協会を通じての山下さんのコメントです。

確かに。

山下さんが仰る通り“女だから”や“男だから”で追いかけるのは

トレンドではありませんね。反省。

なにかとメモリアルだった

愛媛FC対FC今治のライバル対決第1ラウンドは

まず今治が先勝。

これから永遠に続いていく両チームの名勝負数え歌。

今度はリーグ戦で見てみたいものです。

次は“FC今治の新監督だから”ということで

イチフナ帝国を作り上げた布啓一郎氏を追いかけたいと

思います。

監督予想外した~(~_~;)

記者プロフィール
この記事を書いた人
江刺伯洋

江刺伯洋(えさし はくよう)1971年3月1日松山市生まれ。
入社以来アナウンサーとして主にスポーツやラジオを担当。特にサッカー実況は少年からJリーグまで全カテゴリーをこなしてきた。
著書に愛媛FCのJ昇格劇を描いた「オレンジ色の夜明け」、「群青の航海 FC今治、J昇格まで5年の軌跡」がある。【現担当番組】DAZNのJリーグ中継(FC今治、愛媛FC)、ラジオ生ワイド「江刺伯洋のモーニングディライト・フライデー」(毎金曜午前07:15~11:09)など。

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