第93回「【愛媛初】時短要請 松山・夜の街から灯が消えた」

ニュース解説

■【愛媛初】独自の営業時間短縮要請
新型コロナウイルスは、時間や場所を選ぶことなく、感染拡大を続けています。
本来なら家族や友人同士で集まり、楽しむはずだった年末年始にもその勢いを増し、1月7日には、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県に。
1月13日には、関西の大阪府、兵庫県、京都府、また、東海の愛知県、岐阜県、そして、福岡県、栃木県の合わせて7府県に「緊急事態宣言」を発出する事態となりました。(宣言期間は2月7日まで)
もちろん愛媛県もその例外ではなく、1月だけでも13件(累計26件)のクラスターが発生し、感染者数の累計は、866人に上っています。(いずれも1月20日時点)

こうした事態を踏まえ、愛媛県の中村知事は、愛媛県独自の警戒レベル(「感染縮小期」→「感染警戒期」→「感染対策期」)を、全3段階中の2段階目に位置する「感染警戒期」内の「特別警戒期間」に引き上げています。≪期間:1月8日(金)~1月26日(火)≫
この「特別警戒期間」では、感染拡大を防ぐために愛媛県としては初めて、松山市の酒類を提供する飲食店を対象に営業時間短縮の要請を行っています。≪期間:1月13日(水)~1月26日(火)≫

■協力金の申請もスタート

愛媛県の営業時間短縮要請は、松山市の酒類を提供する飲食店(約3,000店舗)を対象に営業時間を午前5時~午後8時(酒類の提供は午後7時まで)に制限するもので、協力した飲食店1店舗当たりに28万円の協力金を支給します。
これに加え、松山市では、独自の協力金を上乗せしていて、県と合わせると、“時短営業”の場合は最大66万円、“休業”の場合は最大80万円が支給されます。
この要請が始まった1月13日(水)には、松山市銀天街の特設窓口や松山市役所で協力金申請の受付けが始まり、午前11時の受付け開始時刻を前に飲食店経営者らが長蛇の列を作りました。
松山市によりますと、受付開始から1週間で、1351件の申請があったということです。

■【愛媛・松山】夜の街の灯りが消える

愛媛県による営業時間短縮要請が行われて、初の週末となった1月16日(土)。
愛媛県内最大の観光地「道後」と松山市中心部の「繁華街」を取材しました。

道後商店街では、酒類を提供するほとんどの飲食店が新型コロナの感染拡大を防ぐため、県からの要請に応じる形で時短営業か休業をしていました。
また、「GoToトラベル」全国一斉停止により、道後への観光客が激減する中、多くの土産物店が営業時間を短縮していました。
道後温泉本館前や商店街の人影はまばらで、2020年4月、5月の「緊急事態宣言」時のような何とも言えない静けさに包まれていました。

続いて、松山市中心部「夜の繁華街」です。
午後10時を過ぎて、「松山ロープウェー商店街」で、明かりが灯っていた飲食店は数店舗。


「大街道商店街」のアーケード内や商店街から一歩入った路地でもほとんどの飲食店が営業時間の短縮や休業に応じていました。



一方、時短営業や休業を行わない飲食店もありましたが、店内は、多くの若者などで満席となり、賑わいを見せていました。

■国に飲食店取引先への支援要請


飲食店の時短営業や休業に伴い、酒の販売店や食料品の卸売業者など飲食店の取引先にも大きな影響が出ています。
政府は、「緊急事態宣言」が発出された地域に対し、飲食店と取引がある、又は、不要不急の外出自粛の影響を受けた事業者に最大40万円の一時金を支給する方針です。
しかし、「緊急事態宣言」の対象外の自治体には、一時金が支給されないため、独自に時短要請などを行っている愛媛県を含む13道県の知事が19日、梶山経済産業大臣に「緊急事態宣言」の地域に限らず支援するよう要望書を提出しました。
要望書では、食材や酒を提供する飲食店の取引先や、コロナ禍で経済への影響が大きいホテル・旅館などの観光業、タクシーなどの交通事業者らへの支援を求めています。
要望を受けた、梶山大臣は、「要望についてしっかりと受け止める」とした上で、「今後制度を具体化する中で検討したい」としています。
また、一時金を支給する条件については、売り上げが対前年比50%以上減少した事業者に支払うとされていますが、要望書では、50%を下回っていてもこれに近い水準が続いている事業者なども支給対象に含めるよう求めています。

※次回記事更新は、1月28日(木)を予定しています。

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ。
1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任し、現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。

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