第92回「コロナ禍 【愛媛】激変の年末年始」

ニュース解説

遅ればせながら明けましておめでとうございます。
2021年も「南海放送解説委員ブログ」を何卒よろしくお願い致します。
さて、この年末年始、皆様いかが過ごされましたか?
新型コロナウイルスは、時を選ぶことなく、全国的に猛威を振るい、政府は、新年早々の1月7日に東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県を対象に「緊急事態宣言」を発出。
さらに、その後、新型コロナは一向に終息する気配を見せることなく、「緊急事態宣言」の対象範囲は、栃木県、愛知県、岐阜県、大阪府、京都府、兵庫県、福岡県の2府5県に拡大する状況となっています。

■激変した【愛媛】の年末年始

こうした中、愛媛県内でも新型コロナウイルスの感染拡大は、歯止めがかからない状態が続いていて、年末年始の風景は、例年とは、すっかり様変わりしてしまいました。
年末の12月28日には、新型コロナ経済対策の目玉である「GoToトラベル」が全国一斉に停止。(緊急事態宣言の発出に伴い期限は1月11日から2月7日に延長)
この影響は、年末年始というかき入れ時を迎えた愛媛県内の観光地を直撃しました。
県内最大の観光地、松山市・道後も、もちろん例外ではありません。

このうち、「道後プリンスホテル」では、「GoToトラベル」の一時停止に伴い、キャンセルが急増し、1月末までに3,400人あった予約が“70%減”の約1,000人にまで減少したそうです。このため、1月には、数日間の臨時休業を余儀なくされる事態となりました。

道後温泉旅館協同組合によりますと、「GoToトラベル」の一時停止の影響で、組合に加盟する32のホテルと旅館のうち、停止期間中の2020年12月28日~2021年1月11日の間に1日でも休業した施設は半数以上にのぼり、キャンセルとなった宿泊客数は2万6,524人だったということです。
道後のまちでは、例年、道後温泉本館前で行われていたカウントダウンイベントも新型コロナの感染拡大防止のため中止となるなど、影響は深刻で、これまでにない静かな年末年始となりました。

■新春恒例「初売り」にも影響が

松山市の「いよてつ髙島屋」も例年と異なる正月の風景となりました。
このデパートでは、毎年1月2日に新春恒例の「初売り」を行っていて、例年、開店前に100人以上の行列ができますが、今年は、静かなスタートとなりました。
2021年の「初売り」では、新型コロナ対策として、「福袋は年内に」をキーワードに「福袋」全体の約70%を2020年のうちに販売、または予約制としていました。
このため、2日の「初売り」で「福袋」は販売されず、「福袋」を目当てにした買い物客による混雑が回避されました。

それでも、婦人服や子供服などのセールでは、通常の30%~50%OFFの商品が販売されるなどしていて、コロナ対策が施された店内で多くの買い物客が「初売り」を楽しんでいました。

■愛媛独自の営業時間短縮要請

私の解説記事、2020年最後の投稿は、12月24日。
この日の愛媛県内の新型コロナ感染者数の累計は、389人でした。
しかし、2021年最初の投稿となった、1月14日の感染者数の累計は“762人”と、たった3週間で、およそ2倍に急増してしまいました。
1月13日時点で、県内で24件発生しているクラスターについても1月に入りわずか2週間で、家庭や飲食店、ホストクラブなどで、11件が確認されるなど、愛媛県内にも全国的な感染拡大の大きな波が押し寄せている状況です。
こうした事態を受け、中村知事は、愛媛県独自の新型コロナ警戒レベルを「感染警戒期」の『特別警戒期間』に引き上げました。(期間:1月8日~1月26日)

これに伴い愛媛県は、初めて地域を限定する形で飲食店に営業時間の短縮を要請することにしました。
・対象:松山市内の酒類を提供する飲食店(キャバレー、ホストクラブ、カラオケ、ライブハウス等を含む約3,000店舗)
・期間:1月13日(水)20時~1月26日(火)24時
・営業時間:5時~20時(酒類の提供は19時まで)
・協力金:全期間で時短営業に協力した飲食店に1店舗あたり28万円支給

この営業時間の短縮要請について、松山市は「独自の協力金制度」を創設しました。
制度は、4階建てとなっています。
1階部分の県・市による1日2万円の協力金をベースに、2階部分として、営業時間を短縮する店に市が独自に1日2万円を上乗せします。
さらに、3階部分として、期間中に休業した店に、1日1万円が上乗せされます。
また、4階部分として、全期間で、時短要請に応じた従業員5人未満の店に協力金5万円(1回)、従業員5人以上の店に協力金10万円(1回)が支給されます。
これにより、時短営業に協力した店舗には、1店舗につき最大66万円。
休業した店は最大80万円が支給されることになります。
申請の受け付けは、1月13日から銀天街の「きらりん」と「松山市役所」の2か所で始まっていて、早ければ1週間で協力金が支給されるということです。

■若者の感染、会食での感染が急増
中村知事は、年末年始にかけて、愛媛県内で陽性確認された具体例を紹介しています。
【具体例】
・職場全体での忘新年会ではないものの、複数の職員が個別に会食を重ねる中で職場で感染拡大。
・大人数で長時間の飲み会を行い、職場や友人間で感染拡大。
・友人を自宅に招いた「宅飲み」や「鍋パーティー」で感染拡大。
・正月に複数の親族や友人同士が集まり、正月行事や会食で感染拡大。
・県外から帰省した人や県内でも同居していない人が実家に帰省した際に家庭内で感染拡大。
・県外を訪れ人との接触により感染を持ち帰り、家庭内で感染確認。
飲食店や家庭での会食などが主な感染源となっているほか、20代や30代を中心に働き盛りの世代が感染し、家庭内の高齢者などに拡大させているケースが増えているとして、県民ひとりひとりに感染拡大防止対策の徹底を求めています。
愛媛県内で新型コロナが拡大するのか、縮小するのか、まさに「勝負の2週間」が始まりました

※次回記事更新は、1月21日(木)を予定しています。

記者プロフィール
この記事を書いた人
御手洗充雄

1976年松山市生まれ。
1999年南海放送入社、2008年~報道部(記者として愛媛県警記者クラブ、松山市政記者クラブ、番町クラブなどを歴任し、現在はデスクとして活動中)
約10年の行政記者経験を基に県政・市政ニュースなどを分かりやすくお伝えます。

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