去年、夏の高校野球が100回の記念大会を迎え高校野球は新しい時代に入った。
大阪桐蔭の春夏連覇。金足農業(秋田)の躍進に済美のサヨナラ満塁HR。
観客動員は大会を通じて史上初の100万人を越えた。
とにかく高校野球は人気がある。
この大会で注目を浴びたのはチームを準優勝に導いた金足農業(秋田)の吉田輝星投手の力投。(881球)
そして済美の山口直哉投手も準決勝で大阪桐蔭に敗れるまでほぼ一人で投げ抜いた。(661球)
ちなみに夏の甲子園で大会史上最多投球数は現在日本ハムで活躍する斎藤佑樹(早稲田実業)投手の948球。
酷暑の中これだけ投げれば、肉体的にも、精神的にも苦しいのは経験者でなくとも分かる。
多くの高校野球ファンは疲労困憊になりながらも一人のエースがチームの為、地域の為に力を振り絞ってピンチを切り抜ける姿に心打たれる。
そんなエースが出るたびに「選手の将来を潰すのか?」という声があがり「選手の健康を守るための日程の変更」や「投手の球数規制」についての話が話題になる。
日本高野連も100回の記念大会から延長13回からのタイブレーク制を導入したり、第95回大会(H25年)から準々決勝の翌日に1日休養日を設けるなど対策を考えてきた。今年からは休養日を2日にするということも検討しているそうだ。
しかし投手の球数規制については触れていない。
そんな中、去年の12月。新潟県の高校野球連盟が今年の春の大会で高校野球としては初となる「投手の球数制限」をルールに取り入れると発表した。1試合100球を超えた投手はそれ以降の回に登板できないというものだ。実施すれば全国初となるがこれについては日本高野連から「再考」の通達が出され実施するかどうかは3月中に新潟県高野連が回答することになっている。
で、この「球数規制」が高校野球にどんな影響を与えるのか?
「エースの肩肘」を守るにはいいに決まっている。一人の投手への負荷がなくなり、日ごろの練習から球数を投げる必要もなくなる。
しかし、野球の競技人口が激減している今、部員不足の学校は「投手」を複数作るのは難しい。エースに頼らなければ試合を作るのも難しくなるかもしれない。
それにより部員不足の高校が勝ち上がる可能性は極めて低くなり、部員がたくさんいる「強豪校」とそうでない学校の力の差がより鮮明になることも間違いない。
そもそもトーナメントで大会が行われる以上「連投」の可能性が出てくるのは上位8チームのみ。全チームに「球数規定」が必要になるのか?疑問が出てくるのである。
非常に前置きが長くなってしまいました。
高校野球の「球数規制」について考える。の本題は翌週も触れます。