余韻の中で…

オピニオン室

【伊予決戦第1ラウンドの原稿を???目線で書いてみました】

今週の日曜日、
FC今治と愛媛FCの直接対決、通称“伊予決戦”の
第1ラウンドが行われました。
結果は0-0のスコアレスドローで痛み分けでした。

あれから数日たって、一つ意外だったことがあります。
私の周りから「得点が無くてイマイチ盛り上がらなかった」と
いう声があったことです。
決して、そんなことはありません。

得点はサッカーの最大の醍醐味ですが、
この試合は両チームの守備が光った
“白熱した好ゲーム”だったんです。

得点が無い=面白くないと思ってしまうのは、
もしかすると通常ニュースなどで
攻撃シーンや得点シーンのみを
紹介してきたメディ側の罪なのかもしれません。

では、反省の意味を込めて
この試合を守備の要、ゴールキーパーを主語にして
原稿を書いてみましょう。

『14日日曜日に行われたFC今治と愛媛FCの
ライバル対決は両チームの
ゴールキーパーが大活躍しました。

愛媛FCのゴールキーパーは辻周吾選手。

この日、FC今治ストライカーの
ヴィニシウス選手が最多7本のシュートを
打ちましたが、辻選手は指先数センチの
ところで触りギリギリでピンチを
切り抜けていました。

辻選手はこれまでほとんど出場機会がありませんでした。

しかし、この日で4試合連続でスタメン出場。
掴んだチャンスを絶対に逃さないぞという気迫が
辻選手のプレーから見えていました。

同じように新守護神への気迫をみなぎらせているのが
FC今治のゴールキーパー伊藤元太選手です。

地元松山出身の伊藤選手はプロ5年目で今治に移籍し、
Jデビューした選手です。

リーグ2試合目でしたが
「負けたくない、絶対に点を入れさせないぞと
思ってやっていた」
「愛媛FCは松田選手の裏を狙ったり、
サイドから大外のクロスなどでゴールを狙ってきたので
そういうのを意識していた」と自らのプレーを
冷静に振り返っていました。

この日、FC今治のシュートは15本。
愛媛FCは8本。

辻選手も伊藤選手も20本以上のシュートを
防ぎ切ってクリーンシートを達成。

注目された伊予決戦第1ラウンドは0-0でしたが
新守護神を狙う二人のゴールキーパーが踏ん張り、
貴重な勝点1をゲットしました』

・・・以上、ゴールキーパー目線での原稿でした。

いかがでしょう。
印象変わりましたか?

記者プロフィール
この記事を書いた人
江刺伯洋

江刺伯洋(えさし はくよう)1971年3月1日松山市生まれ。
入社以来アナウンサーとして主にスポーツやラジオを担当。特にサッカー実況は少年からJリーグまで全カテゴリーをこなしてきた。
著書に愛媛FCのJ昇格劇を描いた「オレンジ色の夜明け」、「群青の航海 FC今治、J昇格まで5年の軌跡」がある。【現担当番組】DAZNのJリーグ中継(FC今治、愛媛FC)、ラジオ生ワイド「江刺伯洋のモーニングディライト・フライデー」(毎金曜午前07:15~11:09)など。

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