Archive for the '未分類' Category
えさシネマ倶楽部
「スーパーノヴァ」
星が消滅する前に一瞬だけまばゆい光を放つ
それが“スーパーノヴァ”
完璧なタイトル
そして
「君の名前で僕を呼んで」「チョコレートドーナツ」「ある少年の告白」「リリーのすべて」・・・
など同性愛の名作たちが描かなかった
枯れた男同士の人生の最終盤
認知症で相手が分からなくなる中、どう答えを見つけるのか
完璧なテーマ
コリン・ファースとスタンリー・トゥッチという
渋すぎるキャスティング
とここまでは完璧でしたが
期待がマックス過ぎると
外してしまうのも映画界の常泣
認知症になってからの大変さ悲惨さをなぜ描いてくれない!
綺麗な所ばかりしか描いていない!
ピアニストと小説家が
人生の最後を人郷離れた湖水地方で暮らす・・・
浮世離れしすぎていて感情移入が出来ないよ~
もっとリアル感が欲しかった
もっと身近に感じたかった
期待していたのに~
3シネマ
えさシネマ倶楽部
「ファーザー」
やっと書けるレベルの作品を観られました
アンソニー・ホプキンスが久しぶりにオスカー(主演男優)を獲った作品ですね
認知症の父が施設に入るまでを描いています
認知症側の目線でストーリーが始まるので
一気に惹きこまれます
ああ、なるほどこういう風になるから
娘に「アナタは誰だ?」とか「お前が時計を盗んだんだろ!」とか
いきなり怒鳴ってしまったりするんだなというのが良くわかります
そして自分もいつか行く道と気づくと恐怖を感じるようになります
さらに
怒っていたかと思ったら、急に機嫌よくハイテンションになったり
急にどん底に落ち込んでしまう様を
ホプキンスが完璧に演じています
アカデミー会員を唸らせた要因が分かります
最後は施設に入ったところでスパッと終わる手法もお見事
このまま亡くなってしまうのだろうなあと
思ってたところでラストカット
ダラダラしない
あと
これ系の作品にありがちな説教臭さもないジャスト97分
タイトルとは違い決してオジサン臭くない作品でGOODでした
4シネマ
えさシネマ倶楽部
「キャラクター」
サイコパス系の映画というのは
「完全に狂ってるけど、そうなっちゃうよね~」と思わせる“納得性”を
どれだけ高く保持できるかが大事なんです。
いきなり上からで申し訳ないですが
Fukaseさんにはそれが無かった…
ピンク頭で、首をカクカクさせて、虚ろな目でしゃべる、みたいなのは
どっかで見たサイコパスで
どっかで見たストーリーで
凡庸感が払しょくできない
まず、ホントのサイコパスならピンク頭なんて
目立つようなことするわけないやん!ってとこから納得性が低くなるのです
どうしてもアーティスト感が抜けない
名前はFukaseだけど
シリアルキラーだけが持つ
この人、闇深いな~という
“”闇Fukase感”が出せてない
SEKAI NO OWARIが透けて見えるので
ああ、がんばってるなあと白けてしまう
その点、これまで名作と言われた作品に登場するサイコパスは
どこまでも恐ろしくて
どこか寂しげで、なぜか共感できる
恐怖と畏怖とカリスマ性が共存してるんです
レクター博士のアンソニー・ホプキンスを筆頭に
「ミザリー」のキャシー・ベイツ
「セブン」のケヴィン・スペイシー
邦画にもいます
「復讐するは我にあり」の緒方拳
「冷たい熱帯魚」のでんでん
最近では「ヒメアノ~ル」の森田剛
などなど
まあ、それほど難しいんでしょうけどね
Fukaseさんと菅田将暉さんが対峙してると
このまま歌いだすのかな、新曲出来たんかなと思ってしまう
レビューで好評価を書いてるのはファンの人ですかね
厳しくいかせていただきます
2シネマで
ロッベンのイッペン読んでみ!
「雪ぐ人 “冤罪弁護士”今村核の挑戦」佐々木健一著
メディア界のテレビドキュメンタリー、調査報道の二大巨頭といえば
NHKの佐々木健一氏と日本テレビの清水潔氏。
「Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激滅させた男」(佐々木健一著)
「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」(清水潔著)
「“南京事件”を調査せよ」(清水潔著)
いずれも傑作であり大作です。
ヌルい本ばかり読んでるときに
気合いの1本!って時にお二人の著書を手にします。
今回もヌルい私にキツい一発を注入して頂きました~
ドラマタイトルにもなった
日本の刑事裁判の有罪率“99.9%”。
残りの0.1%に挑む自称“冤罪弁護士”こと今村核氏を追いかけたドキュメント。
並の弁護士でも生涯に1件無罪を取れるかどうかの日本の法廷で
今村弁護士が勝ち取った逆転無罪はなんと14件!
異常な数です。
ご存じのとおり刑事裁判で弁護士が無罪を勝ち取るのって
メチャクチャ難しい、不可能に近い上に
過払い金とか大企業、離婚などと違って圧倒的にお金になりません。
この今村弁護士もそうです。
でも己の中の正義の声に従い
弁護側としては普通はやらない“無罪の立証”を徹底的にやって
“冤(えん)を雪(そそ)ぐ”んです。
あとがきを清水潔氏が書いてます。
「本書を私の大切な蔵書の一冊に加えたいと思う」に激しく共感します。
4ブック
えさシネマ倶楽部
「アオラレ」
まず邦題付けた人、天才ですね
めちゃキャッチー、大成功です
ってか「アオハル」とかけてたんですね
てっきり「ネトラレ」だと思ってました(~_~;)
まあどっちにしろ効果は抜群w
狂ったドライバー(ラッセル・クロウ)が
か弱い女性ドライバーをトコトン追いつめる
ストーリーにツッコミどころはありますが
だいたい予想通りでした
“あおり運転”って日本だけじゃないんですね
ってことは世界中であるんだ
私も二度ほどやられたことがあります泣
これ系の元祖とえいばスピルバークの「激突!」ですよね
あちらは1971年の作品、半世紀前ですよ
ってことは“あおり運転”って昔からあるんですね
ちなみに「アオラレ」の原題は“Unhinged”=動揺
これでは観に行かないですね~
「激突!」の原題は“Duel”=決闘
数年前からサッカー界でさんざん言われるようになった
“ドュエル”です
邦題っておもしろいですね
3.5シネマ
ロッベンのイッペン読んでみ!
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ著
エッセイ…コラム…相変わらずブームが吹き荒れてますね
直ぐ読めちゃうのでコスパ低くてもったいないな~
と貧乏根性丸出しだなと思いながらも読んじゃうんですよね
お笑い芸人、女性映画監督、人気コラムニスト…などなど
既に本業で天才なのに文章まで天才なのね
と感服するばかり
女子●ナとかが書く半自叙伝的、半写真集的、コラム風な読み物は
お金をもらっても読みませんが
今回も天才が居ましたよ
ただ本作は他の人気エッセイと大きく一線を画しています
それはほとんどの文章に“レイシズム(人種主義)”が影響していることです
なぜなら著者が英国在住だからです
こんな日本の田舎でチンタラポンタラ暮らしている私などは恥じ入るばかり
本作には人種差別や貧困問題、児童失踪問題、宗教問題、格差問題
ユーロ離脱問題、LGBTQ問題、移民問題、小児性愛問題、ナショナリズム問題などなど
が当然のように描かれています
しかも(本人曰く)ミドルクラスではなくワイルドサイド目線で書いてるので
「リトル・ダンサー」と「フル・モンティ」と「トレイン・スポッティング」
と「わたしは、ダニエル・ブレイク」を観た時のような読後の寂寥感があります
でも著者が天才なのは
決して説教臭くなく、中学生の息子君を通して英国の現状を
ユーモアたっぷりに書いているので暗くなりません
こういうこともちゃんと知っておかなければと思わせてくれます
何が出来るってわけではないのですが、知らなかった以前の自分よりは
少しだけましかなと自分を戒めています
4ブック
ロッベンのイッペン読んでみ!
「生きるとか死ぬとか父親とか」ジェーン・スー
ここに書きたくなる本や映画に中々出会えなくて悶々としていた時
「これお貸しします!読んでみて下さい!!」
とキラキラな瞳で甲斐アナウンサーに渡されました。
しかも著者をよくわかってなくで疑心丸出しだったのですが
お詫びし訂正します。スイマセンでした。
簡単に言うと好きではなかった父親について書いたエッセイです。
これがホッコリとしたハートフルファミリー感満載だったら
途中で止めて「あ、まあまあ良かったよ汗」って言いながら
早々に返そうかなと思ったのですがw
著者の斜め感といい、諦念感といい
メチャ好きなタイプでした。
直前に原田マハさんの「キネマの神様」を読んでまして。
同じようにわがまま親父が出てくるのですが
あっちはフィクションで
こっちはノンフィクション。
断然、こっちのリアルな親父話の方が面白いです。
「尊敬するのは両親です!」
となんの衒いもなく言っちゃう人のラジオはオモシロくないでしょうが
この著者の番組なら聞いてみたいと思いました。
あ、ドラマはテレ東なんかーーい
3.5ブック
えさシネマ倶楽部
「ノマドランド」
とても静かな作品でした
思った以上に静かでした
ノマド=放浪者の生活をリアルに表現していますが
ほとんど予想の範囲内といか
えーー!そんなことあるの??なんていうビックリな事は起こりません
だからこそリアルなのでしょうが
「ミナリ」はどう生きていくか
「ノマド~」はどう死んでいくかの対決になりましたね
で、作品賞伯ちゃん予想ですが…
オスカー ゴーズトゥー…
「ミナリ」!でしょう
3.5シネマ
えさシネマ倶楽部
「ミナリ」
あるぞ、韓国映画のアカデミー作品賞連覇!
と思わせてくれる程の良作でした
今年の作品賞は「ノマドランド」との一騎打ちと言われる中、こちらを先に観賞しました
韓国もついにこんな映画を作るようになったのです
派手な事件や殺人事件が起きるわけではありません
少し前の時代、アメリカに移住した韓国人一家が田舎町で暮らすだけの話
でもいつの時代でも変わらない、どの国籍でも違わない
普遍のリアリティを描き出しています
生活をする事
生きていくこと
躓きながらでもやっぱり前へ進む
ラストに大きな事が起きますが誰かが死んでしまうわけではない
夫婦、姉弟とお祖母ちゃんの5人の演技が
押しつけがましくないからよりストンと胸に落ちてきます
特にお祖母ちゃん役で韓国人女優初の助演女優賞ノミネート・ユン・ヨジョン
評判通り珠玉の演技です
躓いたことがある人全員に薦めたくなる作品です
次は対抗馬「ノマドランド」
そして4/26の本発表を待ちます!
4.5シネマ
ロッベンのイッペン読んでみ!
「映画にまつわるxについて」西川美和著
「すばらしき世界」以来しばらく西川ワールドにはまりきっています
こちらは「ゆれる」「夢売るふたり」を作ったころのエッセイ
どちらも傑作です
映画のテイストからもっとオラオラな監督かと思ったら
ネガティブ思考こじらせ女というか
卑屈と自虐とルサンチマンの塊というか
そういうところがやっぱり大好きです
読後改めて「永い言い訳」を観直しました
何回観ても泣けますね
最初の頃より泣けるところが少し違ってて
自分が成長したのか
それとも単純に歳を取ったのか…
いつかお会いしたいなあ
4ブック