2021.05.06
ロッベンのイッペン読んでみ!
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ著
エッセイ…コラム…相変わらずブームが吹き荒れてますね
直ぐ読めちゃうのでコスパ低くてもったいないな~
と貧乏根性丸出しだなと思いながらも読んじゃうんですよね
お笑い芸人、女性映画監督、人気コラムニスト…などなど
既に本業で天才なのに文章まで天才なのね
と感服するばかり
女子●ナとかが書く半自叙伝的、半写真集的、コラム風な読み物は
お金をもらっても読みませんが
今回も天才が居ましたよ
ただ本作は他の人気エッセイと大きく一線を画しています
それはほとんどの文章に“レイシズム(人種主義)”が影響していることです
なぜなら著者が英国在住だからです
こんな日本の田舎でチンタラポンタラ暮らしている私などは恥じ入るばかり
本作には人種差別や貧困問題、児童失踪問題、宗教問題、格差問題
ユーロ離脱問題、LGBTQ問題、移民問題、小児性愛問題、ナショナリズム問題などなど
が当然のように描かれています
しかも(本人曰く)ミドルクラスではなくワイルドサイド目線で書いてるので
「リトル・ダンサー」と「フル・モンティ」と「トレイン・スポッティング」
と「わたしは、ダニエル・ブレイク」を観た時のような読後の寂寥感があります
でも著者が天才なのは
決して説教臭くなく、中学生の息子君を通して英国の現状を
ユーモアたっぷりに書いているので暗くなりません
こういうこともちゃんと知っておかなければと思わせてくれます
何が出来るってわけではないのですが、知らなかった以前の自分よりは
少しだけましかなと自分を戒めています
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