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えさシネマ倶楽部
「ストーリー・オブ・マイ・ライフ 私の若草物語」
休業明けの新作はこれしかなかったので
まあしょうがないか~とゼンゼン期待していなかったからでしょうか
まさかの2020年伯ちゃんアワード洋画ランキングNO.1です!
女子たちにとってのバイブル「若草物語」
これ実は男子は読まないまま大人(平野D曰く“おっさん”)になってる人がほとんどなんです
私がまさにそう
「トム・ソーヤの冒険」で日本中の少年たちの心を打ち抜いた「世界名作劇場」
トム・ソーヤ後、「南の虹のルーシー」「不思議な島のフローネ」までは
男子も何とか見てたのですが「若草物語」になると
“なんかタイトルもしょぼいし、雰囲気も女子臭っ”とハスって見てないのです
だからこの4姉妹について知識がないのです昭和男子は
でも大人(平野D曰く“おっさん”)になって見たらメチャクチャ面白かった~
まず出ている人がいい
今のハリウッド・メインストリートを闊歩している若手俳優が
キャスティングされています
長女にシアーシャ・ローナン
「レディ・バード」で名をあげましたが私にとっては「ラブリー・ボーン」です
このときから良かった
そして次女にエマ・ワトソン
ハリポタのハーマイオニーはずーーーーと美人です
さらにこの三女どっかで見たな~と思っていたら
そうですあの問題作「ミッド・サマー」のフローレンス・ピューでした
さらに、この女だらけの中に一人登場する美少年が
2019年ハクちゃんアワード洋画NO.1「君の名前で僕を呼んで」の
ティモシー・シャラメ君!
全員“ちゃんと”成長している旬の俳優たちばかり
そこにお目付け役として出ているのが
ハリウッドメインストリートを何十年と歩いてきたメリル・ストリープ
出演者も物語も文句なしの一級品
ダメ押しが監督
物語が時系列で進むのではなく
3つか4つの時代を上手に織り交ぜながらなのでまったく退屈しない
グレタ・ガーウィグ監督ってどんなおっさんかと思ったら
3度目びっくり、女性の新進気鋭(36歳で美人)
「レディ・バード」で長編初監督にしてオスカー・ノミネートの鳴り物デビューしてた天才
つまり女子のリアルを描かせたり
「この娘は私だ!」と観てる女子に思わせることの達人でした
ってことで加点ばかり
減点ポイントゼロ!
出ました5シネマで
ロッベンのイッペン読んでみ!
「菜の花の沖」司馬遼太郎著
STAY HOME中に大物を釣り上げておこうと
司馬作品の中でも
面白くないかも~と思い途中であきらめていた本作を
数年振りに手に取りようやく完読しました
主人公は戦国武将でなく、維新期の偉人でもない
船乗りの高田屋嘉兵衛
派手さが無くよほどの司馬ファンじゃないと
この作品には辿り着かないでしょう
淡路島で生まれ、蝦夷地を開発し、ロシアと交渉
教科書には全く載っていないこの巨人を
竜馬や高杉晋作、西郷隆盛、秋山兄弟と同じ熱量で書き上げています
やっぱりそれが凄い
4、5巻目のロシア話の時は複雑すぎて諦めようかなと思いましたが
やっぱり面白かったです
3.5ブック
えさシネマ倶楽部
「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」
予備知識ほとんど無しで観たら面白かったです
ナタリー・ポートマン 、スーザン・サランドン 、キャシー・ベイツ
脇役の豪華さにまず驚きます
キット・ハリントンが主人公ではありますが
「ルーム」で天才子役の名をほしいままにしたジェイコブ・トレンブレイが
出ているとは知りませんでした!
難しい役でしたが今回も天才ぶりを遺憾なく発揮し
サラリとこなしていました
まあ恐ろしい
モンスターです
もはや彼が主役と言っていいでしょう
大御所ハリウッド俳優を完全に喰っちゃってました
100年に一度、いや200年に一度の天才子役ですね
マコーレイ・カルキンとタゴタ&エル・ファニングにジョナサン・リプニッキ
それに芦田愛菜と寺田心に鈴木福をMIXさせたハイブリッド
ついにジョディフォスターを超える逸材が現れました
次回作の『グッド・ボーイズ』も楽しみ!
4シネマ
えさシネマ倶楽部
「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」
復活した大街道に早速行ったのですが私一人の貸切でした…
映画ファンとして再開は楽しみ楽しみででしょうがなかったのですが
内容はイマイチでした
でも世界的ヒット作はこうやって事前に情報が漏れないよう
脚本家が閉じ込めらることもあるそうですね
休業前にギリギリ「アイリッシュマン」を
シネマルナティックで観ることが出来ました
デ・ニーロはどうやってもやっぱりマフィア顔なんですよね
これからはもうマフィアもの以外は出なくていいです
自粛中もメチャクチャ映画を観まくってましたが
やっぱり新作を劇場で観るのは嬉しい
公開が延期されている新作も早く観たいものだ
3シネマ
ロッベンのイッペン読んでみ!
「午前三時のルースター」垣根涼介著
文学賞を総なめにした…の謳い文句にダマされてしまいました
本屋大賞「流浪の月」は文庫化されてからでいいか
とケチってしまったバチが当たったのだ
一番嫌いな説明するための長々台詞のオンパレードで
ハードボイルドを気取るシーンがダサすぎる
と真上から目線の辛口評価ばかりでスイマセン
もしかすると
このデビュー作がそうなだけで
その後の作品は違うのかもしれません
が読み終えるのがキツかった~
「ルースター」が一番鶏ってことだけはわかりました
神から与えられたこの時間
最先端ばかり追いかけるのではなく過去を知る時間に当てよう
ってことで大物にチャレンジ!
次は5巻途中で止まっていた「菜の花の沖」からの~
「街道をゆく」までやってみますか
2.5ブック
ロッベンのイッペン読んでみ!
「仮面の告白」三島由紀夫著
この年になって三島文学デビュー
三島自身の反省を告白した半自叙伝として当時一世を風靡
同性愛に目覚め悩む主人公
前半は同級生・近江への抑えきれない性欲
一転、後半は園子という女性と良い仲になるので
あれ異性愛が芽生えてきたの?と思ったラスト
園子と別れた後に見たムキムキ男子に心を奪われるところで終わり
やっぱりかーーい
とツッコませてくれます
今でこそライトにしゃべれますが発刊当初だと
どエライ話題になったのでしょうね
本書は東大までで終わりますが
実際にはエリートの頂点である大蔵省(当時)に入省するも
1年で文壇の世界へ
その後、革命家となり自決したのはご存じのとおり
享年45
また三島より長生きしてしまった
3.5ブック
えさシネマ倶楽部
「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」
報道映像や資料写真でなんとなくわかっているつもりで
ほとんどわかっていなかった“学生運動”と“三島由紀夫”
当時の思想を正確には理解できないけれど
その“熱”には強烈に憧憬の念を抱きます
左の本丸(東京大学)に
右の象徴である三島由紀夫が単身乗り込んで
1000人の学生と言葉で決闘する
その時の一部始終を撮影していたTBSの映像を元に
当時の関係者が振り返る
なんという魅惑のストーリー
しかし
三島と東大生の論戦の99%は
頭の悪い私には何を言っているかさっぱりわかりませんでした
唯一分かったのは
やっぱり三島はカッコよかったということです
1000人の学生に囲まれた三島は
ずっとタバコを吸いながらどんな質問にも当意即妙
まるでその様はフリースタイルのラップバトルで強烈なカウンターを打つEminemのよう
しかも敵陣に乗り込んだはずの三島はずっと嬉しそうなんです
謙信と信玄の様に究極のライバルだけにしかわからない世界があるのでしょうね
完全に感化された私は
観賞後、ソッコーで「仮面の告白」を購入しました
同伴した息子に三島の凄さを嬉々として説明しましたが
ナレーションが東出昌大っていうとこだけは割愛しましたw
最近、身近な方の訃報が相次いでます
いつのまにか三島より、太宰より、尾崎より年上になってしまいました
4シネマ
ロッベンのイッペン読んでみ!
「BUTTER」柚木麻子著
なかなか名著に出会えない今日この頃…
いわゆる毒婦として一昔前世間のワイドショーを賑わせたあの女性を
モチーフに主人公の女性記者が
その毒婦にのめり込んでいくという
それだけ聞くと面白そうだと思ったのですが
軸が女性記者で毒婦側じゃないのと
料理や調理の表現に力点が置かれているので
ちょっと肩すかしの感じでした
なんであんなブ○な女が男たちを虜にしていったのか
というのを読みたかった
だったら小説ではなく「別海から来た女」などのノンフィクションを読むべきでしたね
2ブック
えさシネマ倶楽部
「ミッドサマー」
デビュー作「ヘレディタリー 継承」をヒットさせた
アリ・アスター監督の第2弾
カメラマンM君が「今までで一番怖かったです~」と
震えていたのでDVDで「ヘレディタリー」を予習してから観ました
カルトが超好きなんですね~この監督
こんな気持ち悪いことよう思いつくわ!と唸るところだらけでした
どっかでホントにありそうな危なすぎる世界に
主人公たちがいつの間にか引き摺りこまれ抜け出せなくなります
「ヘレディタリー」は全体的にダークな色合いですが
こちらはカラフルな明るいトーン
それが新しくて逆に気持ち悪い
ただのホラーじゃなく
作品として評価されてるのがよくわかります
例えば
殺しや死人がこれでもかと出てくるのではなく
2作品とも1回しか登場してないんですよね
ってなところです
“ニューホラー”っていうのか
変な表現ですが
この監督のホラーって“オシャレ”なんです
4シネマ
えさシネマ倶楽部
「1917 命をかけた伝令」
よかったです
メチャクチャよかった
アカデミーさん、
やっぱり作品賞はこちらじゃないですか…
ゴールデングローブの影響が大きすぎて
「パラサイト」に票が流れていったとしか思えない
「パラサイト」が悪いわけではないけれど
構成、キャスティング、撮影手法
どれをとってもこちらのほうがワンランク上です
ワンカット撮影をすることがどれだけ大変か
でもそれをすることで
観ている側はまさに主人公と同じ目線で没頭することが出来ます
ストーリーとしても完璧
こちらがオスカーを獲ると
またSO WHITE!とか文句を言われるのが嫌だったんでしょう
主人公2人が無名なので余計な先入観なく観られますし
最初にコリン・ファース
最後にベネティクト・カンバーバッチという
豪華スターのチョイ出しサンドイッチがこれまたニクイ!
戦争ものはやりつくしていて作るのも勇気がいると思いますが
まだまだやり方ひとつ、撮り方ひとつでこんなにも迫力ある映像になる
しかも、第2次ではなくマイナーな第1次世界大戦で勝負したところもかっこいい!
全くいらないでしょうが
私から作品賞と監督賞をサム・メンデス監督に贈呈します!
5シネマ